ハイビスカスやブーゲンビリアを見たがる『八千代』を、花壇に連れていくと。
『八千代』は、アホみたいにポカーンと口を開けて。
咲き乱れる花々に見惚れていた。
そーだろそーだろ。
俺とツキナが、ってか主にツキナが、苦労して育てた花達だからね。
そりゃあ綺麗に決まってる。
「これ全部、『八千歳』が育てたの?」
「いや、俺がって言うか…。ツキナ…もう一人の、園芸部の部長が」
「でも、手伝ったんでしょ?」
「…まーね」
二人で種を撒いたり、二人で肥料をあげたりしたよ。
勿論、水やりも欠かさなかった。
「…なーに?暇なことしてんな〜って思った?」
君が草花育ててる間に、僕は勉強してたから満点wとか思ってる?
別に、そう思われててもいーけど。
事実だから。
しかし。
「ううん…。羨ましいなぁって思ってる」
「…何が?」
「僕には思い付かなかったから。花を育てるなんて」
…?
一瞬考えて、そして理解した。
成程、へー、そうね。
つまり、皮肉ってことだ。
「悪かったね。散々人を殺しておいて、呑気に花育ててごめんなさいね」
「そういう意味じゃないよ」
「じゃあどーいう意味だよ?」
「『八千歳』はたくさん人を殺したよ。それは知ってる。でも、それは僕も一緒だから」
…。
「奪うことは知ってるけど、育てることは知らない。思いもよらなかった。こんな…人殺しでも、生き物を育てることが出来るんだね」
…何だ、それ。
「…結局皮肉じゃん」
「そんなつもりはなかったんだけど…」
あっ、そーですか。
「…それより、『八千歳』」
「何だよ、もー」
「これ、この花…。何本か、切っても良い?」
何言ってるのかなこの人。
「へぇ?俺が丹精込めて育てた花を、掠め取っていこうって?」
「うん。『玉響』にも…見せてあげたいと思ったから」
「…」
…ふーん。
…ツキナ、ごめん。
ちょっとこれ、もらうね。
「いーよ。でも全部は切らないでね」
「うん。何本かで良い。『八千歳』の大事なものだから」
「あと、供えに行くときは俺も行くよ」
「うん。一緒に行こう」
分かってる。
こんなことは、所詮俺達の自己満足で。
『玉響』は、こんな花なんて見たくもない。そんなことより生きていたかったのに、って思うかもしれない。
『玉響』を殺したのは、他でもない俺なんだから。
そんな俺が育てた花なんて、願い下げだと思うかもしれない。
でも。
俺に罪はあっても、花に罪はないから。
そう思って、見てくれないかな。『玉響』。
『八千代』は、アホみたいにポカーンと口を開けて。
咲き乱れる花々に見惚れていた。
そーだろそーだろ。
俺とツキナが、ってか主にツキナが、苦労して育てた花達だからね。
そりゃあ綺麗に決まってる。
「これ全部、『八千歳』が育てたの?」
「いや、俺がって言うか…。ツキナ…もう一人の、園芸部の部長が」
「でも、手伝ったんでしょ?」
「…まーね」
二人で種を撒いたり、二人で肥料をあげたりしたよ。
勿論、水やりも欠かさなかった。
「…なーに?暇なことしてんな〜って思った?」
君が草花育ててる間に、僕は勉強してたから満点wとか思ってる?
別に、そう思われててもいーけど。
事実だから。
しかし。
「ううん…。羨ましいなぁって思ってる」
「…何が?」
「僕には思い付かなかったから。花を育てるなんて」
…?
一瞬考えて、そして理解した。
成程、へー、そうね。
つまり、皮肉ってことだ。
「悪かったね。散々人を殺しておいて、呑気に花育ててごめんなさいね」
「そういう意味じゃないよ」
「じゃあどーいう意味だよ?」
「『八千歳』はたくさん人を殺したよ。それは知ってる。でも、それは僕も一緒だから」
…。
「奪うことは知ってるけど、育てることは知らない。思いもよらなかった。こんな…人殺しでも、生き物を育てることが出来るんだね」
…何だ、それ。
「…結局皮肉じゃん」
「そんなつもりはなかったんだけど…」
あっ、そーですか。
「…それより、『八千歳』」
「何だよ、もー」
「これ、この花…。何本か、切っても良い?」
何言ってるのかなこの人。
「へぇ?俺が丹精込めて育てた花を、掠め取っていこうって?」
「うん。『玉響』にも…見せてあげたいと思ったから」
「…」
…ふーん。
…ツキナ、ごめん。
ちょっとこれ、もらうね。
「いーよ。でも全部は切らないでね」
「うん。何本かで良い。『八千歳』の大事なものだから」
「あと、供えに行くときは俺も行くよ」
「うん。一緒に行こう」
分かってる。
こんなことは、所詮俺達の自己満足で。
『玉響』は、こんな花なんて見たくもない。そんなことより生きていたかったのに、って思うかもしれない。
『玉響』を殺したのは、他でもない俺なんだから。
そんな俺が育てた花なんて、願い下げだと思うかもしれない。
でも。
俺に罪はあっても、花に罪はないから。
そう思って、見てくれないかな。『玉響』。


