――――――…そんなムカつく出来事があった、翌日。
俺はいつも通り、園芸部の畑に顔を出した。
夏休みで実家に帰ったツキナに、頼まれているのだ。
「畑の世話お願い〜!」って。
お願いされたから、応える。
それで俺は毎日、畑に通っては。
草を抜き、水を撒き、虫を取り。
熟れているものがあれば収穫して、自分は食べられないので近所に配る。
花壇の方にも水をやり、草取りもする。
やることがたくさんだ。
正直、俺は『八千代』みたいに、馬鹿の一つ覚えのように勉強するより。
こうして、あれこれ動いている方が、性に合う。
だから俺は76点しか取れないんだよ。分かってるよ。ふん。
ガリ勉『八千代』は、精々机に齧りついていれば良いよ。
その間に俺は、命を育成してるからさ。
内心苛立ちながら、俺は蛇口を捻り、大きなじょうろに水を溜め。
畑に植え付けられた作物に、水をやっていると。
「ねぇ、こっちは水、あげなくて良いの?」
「は?」
振り向くと。
そこには、俺と同じく、水の入ったじょうろを持った…。
…『八千代』が、立っていた。
全く気配を感じない。
気持ち悪い奴。
何でここにいるんだ?ここ、俺の聖域なんだけど。
「そっちはいーんだよ。サツマイモだから。そんなに水やらなくていーの」
昨日たっぷり水撒いておいたから、今日は大丈夫だろう。
今日は炎天下って訳でもないし。地面も渇ききってない。
「じゃあこっちに水やりするね」
容赦なく、カボチャの苗にドボボボ、と水をやる『八千代』。
この馬鹿。
「ちょっと!勢い強過ぎ!支柱倒れるし土が崩れる!もっと優しく!」
「えっ」
「つーか、君何しに来たの?」
「『八千歳』が、いつも畑に入り浸ってるから。楽しいのかなと思って。手伝いに来たんだ」
手伝いだと?
「だったら、水やりはやんなくていーから。草抜いて」
「分かった」
草取りくらいなら、『八千代』にも出来るだろう。
…と、思ったのが間違いだった。
「は!?ちょ、何やってんの!?」
「?」
『八千代』は畑の隅の方に座り込んで、ニラを鷲掴みにしていた。
まさか、それを引き抜くつもりか?
「それはニラ!野菜!」
「え?草じゃないの?川とかによく生えてるよ」
「それ違う植物だから!折角育てたもの勝手に収穫しないでよ!」
「分かった」
危なっ。
折角育てたニラ、草と間違えられて抜かれるところだった。
すると。
今度は、『八千代』は別の畝にしゃがみ込んで、雑草を引き抜こうとしていたが。
「…なかなか抜けないね。根っこが奥に残って…」
「…」
雑草の根を抜こうと、ぐりぐりと土の中に指を突っ込んでいる『八千代』。
…何だろう。
このじょうろの水、『八千代』の頭にぶちまけてやりたい。
俺はいつも通り、園芸部の畑に顔を出した。
夏休みで実家に帰ったツキナに、頼まれているのだ。
「畑の世話お願い〜!」って。
お願いされたから、応える。
それで俺は毎日、畑に通っては。
草を抜き、水を撒き、虫を取り。
熟れているものがあれば収穫して、自分は食べられないので近所に配る。
花壇の方にも水をやり、草取りもする。
やることがたくさんだ。
正直、俺は『八千代』みたいに、馬鹿の一つ覚えのように勉強するより。
こうして、あれこれ動いている方が、性に合う。
だから俺は76点しか取れないんだよ。分かってるよ。ふん。
ガリ勉『八千代』は、精々机に齧りついていれば良いよ。
その間に俺は、命を育成してるからさ。
内心苛立ちながら、俺は蛇口を捻り、大きなじょうろに水を溜め。
畑に植え付けられた作物に、水をやっていると。
「ねぇ、こっちは水、あげなくて良いの?」
「は?」
振り向くと。
そこには、俺と同じく、水の入ったじょうろを持った…。
…『八千代』が、立っていた。
全く気配を感じない。
気持ち悪い奴。
何でここにいるんだ?ここ、俺の聖域なんだけど。
「そっちはいーんだよ。サツマイモだから。そんなに水やらなくていーの」
昨日たっぷり水撒いておいたから、今日は大丈夫だろう。
今日は炎天下って訳でもないし。地面も渇ききってない。
「じゃあこっちに水やりするね」
容赦なく、カボチャの苗にドボボボ、と水をやる『八千代』。
この馬鹿。
「ちょっと!勢い強過ぎ!支柱倒れるし土が崩れる!もっと優しく!」
「えっ」
「つーか、君何しに来たの?」
「『八千歳』が、いつも畑に入り浸ってるから。楽しいのかなと思って。手伝いに来たんだ」
手伝いだと?
「だったら、水やりはやんなくていーから。草抜いて」
「分かった」
草取りくらいなら、『八千代』にも出来るだろう。
…と、思ったのが間違いだった。
「は!?ちょ、何やってんの!?」
「?」
『八千代』は畑の隅の方に座り込んで、ニラを鷲掴みにしていた。
まさか、それを引き抜くつもりか?
「それはニラ!野菜!」
「え?草じゃないの?川とかによく生えてるよ」
「それ違う植物だから!折角育てたもの勝手に収穫しないでよ!」
「分かった」
危なっ。
折角育てたニラ、草と間違えられて抜かれるところだった。
すると。
今度は、『八千代』は別の畝にしゃがみ込んで、雑草を引き抜こうとしていたが。
「…なかなか抜けないね。根っこが奥に残って…」
「…」
雑草の根を抜こうと、ぐりぐりと土の中に指を突っ込んでいる『八千代』。
…何だろう。
このじょうろの水、『八千代』の頭にぶちまけてやりたい。


