まぁ、あれだ。
シルナはもとから、自分の生徒を怒るということが出来ない人間だからな。
こうなるのは目に見えていた。
「お仕置きも拷問もしないから!とにかく、仲良くしようよ。ね?仲良く」
「却下」
一刀両断。
「そ、そんなぁ…。何で?令月君良い子だよ?」
「知らないよそんなの。良い子だろうと悪い子だろうと、誰だって生理的に『あーコイツといたらムカつくわー』って思う奴、いるでしょ?」
と、言うと。
シルナは、
「い、いやそんなことはないよ!誰とだって、平和的に話し合えば仲良く…」
あくまで平和主義を貫こうとしたが。
「まぁ、分からなくはないですね。ムカつく奴はどうやってもムカつきますし」
「分かりますよその気持ち。私だって、怠惰な学院長を見る度、一日に三回は『この人はパンダの生まれ変わりなんだ』と自分に言い聞かせて、怒りを鎮めてますから」
ナジュとイレースが、強烈な横槍を入れた。
特にイレース。
お前、一日に三回もそんなこと考えてたのか。
ごめんな、気づいてやれなくて。
「わ、私、パンダだと思われてたの…?」
茫然自失とするシルナ。
そう思われても仕方ない。普段の行いだな。
「ほら。大人だって嫌いな人はいるんだから、俺が『八千代』を嫌いでも、文句は言えないでしょ」
「そ、そ、それはそうかもしれないけど…でも!折角同じ国の出身なんだし、仲良く…」
「じゃあルーデュニア人は、一切喧嘩しないの?」
「えっ」
不意を突かれるシルナ。
「ルーデュニア人同士なら、誰でも仲良くなれるの?皆お友達?そんな訳ないでしょ。生まれた国が同じだからって、誰でも仲良く出来ると思ったら、大きな間違いだよ」
確かに。
と、言いたくなった自分がいる。
同じルーデュニア人でも、ムカつく奴はムカつくし、絶対コイツとは仲良くなれない、って思う奴はいる。
それはすぐりが正論。
でも、シルナは諦めない。
あくまで、自分の生徒は皆仲良しであって欲しいと思っている。
「だっ…け、ど、いくら嫌い同士でも、大人は皆、上手に対応してるよ?少なくとも最低限の礼儀くらいは…」
「だーって、俺子供だもん」
都合の良いときだけ子供になる男、すぐり。
実際子供だから仕方ない。
「あうぅぅ…で、でもでもでも!うちの!イーニシュフェルトの生徒は!皆仲良し!仲良くするの!」
「何それ。そんな校則でもあるの?」
「あるの!」
ねぇよ。
勝手な校則を作るな。
「それに…だって、令月君は、すぐり君と仲良くしたいでしょ?」
シルナは、すぐりではなく令月に話しかけた。
すると、令月の方は。
「そうだね。仲良く出来たら良いね」
令月には、すぐりと仲良くする気があるらしい。
「ほらぁ!だってすぐり君!仲良くしよう!ね!」
「残念だったね。『八千代』にその気があっても、俺にはま〜ったくないから。一人で勝手にお友達してれば良いよ」
「あ、待ってすぐり君」
シルナが止めるのも聞かず。
すぐりは、勝手にスタスタと学院長室から出ていってしまった。
…あーあ…。
シルナはもとから、自分の生徒を怒るということが出来ない人間だからな。
こうなるのは目に見えていた。
「お仕置きも拷問もしないから!とにかく、仲良くしようよ。ね?仲良く」
「却下」
一刀両断。
「そ、そんなぁ…。何で?令月君良い子だよ?」
「知らないよそんなの。良い子だろうと悪い子だろうと、誰だって生理的に『あーコイツといたらムカつくわー』って思う奴、いるでしょ?」
と、言うと。
シルナは、
「い、いやそんなことはないよ!誰とだって、平和的に話し合えば仲良く…」
あくまで平和主義を貫こうとしたが。
「まぁ、分からなくはないですね。ムカつく奴はどうやってもムカつきますし」
「分かりますよその気持ち。私だって、怠惰な学院長を見る度、一日に三回は『この人はパンダの生まれ変わりなんだ』と自分に言い聞かせて、怒りを鎮めてますから」
ナジュとイレースが、強烈な横槍を入れた。
特にイレース。
お前、一日に三回もそんなこと考えてたのか。
ごめんな、気づいてやれなくて。
「わ、私、パンダだと思われてたの…?」
茫然自失とするシルナ。
そう思われても仕方ない。普段の行いだな。
「ほら。大人だって嫌いな人はいるんだから、俺が『八千代』を嫌いでも、文句は言えないでしょ」
「そ、そ、それはそうかもしれないけど…でも!折角同じ国の出身なんだし、仲良く…」
「じゃあルーデュニア人は、一切喧嘩しないの?」
「えっ」
不意を突かれるシルナ。
「ルーデュニア人同士なら、誰でも仲良くなれるの?皆お友達?そんな訳ないでしょ。生まれた国が同じだからって、誰でも仲良く出来ると思ったら、大きな間違いだよ」
確かに。
と、言いたくなった自分がいる。
同じルーデュニア人でも、ムカつく奴はムカつくし、絶対コイツとは仲良くなれない、って思う奴はいる。
それはすぐりが正論。
でも、シルナは諦めない。
あくまで、自分の生徒は皆仲良しであって欲しいと思っている。
「だっ…け、ど、いくら嫌い同士でも、大人は皆、上手に対応してるよ?少なくとも最低限の礼儀くらいは…」
「だーって、俺子供だもん」
都合の良いときだけ子供になる男、すぐり。
実際子供だから仕方ない。
「あうぅぅ…で、でもでもでも!うちの!イーニシュフェルトの生徒は!皆仲良し!仲良くするの!」
「何それ。そんな校則でもあるの?」
「あるの!」
ねぇよ。
勝手な校則を作るな。
「それに…だって、令月君は、すぐり君と仲良くしたいでしょ?」
シルナは、すぐりではなく令月に話しかけた。
すると、令月の方は。
「そうだね。仲良く出来たら良いね」
令月には、すぐりと仲良くする気があるらしい。
「ほらぁ!だってすぐり君!仲良くしよう!ね!」
「残念だったね。『八千代』にその気があっても、俺にはま〜ったくないから。一人で勝手にお友達してれば良いよ」
「あ、待ってすぐり君」
シルナが止めるのも聞かず。
すぐりは、勝手にスタスタと学院長室から出ていってしまった。
…あーあ…。


