吐月のもとを訪ねた後。
「あっ」
「あれ、学院長?」
「どうした、二人して」
廊下の曲がり角で、魔導部隊大隊長二人組と鉢合わせた。
エリュティアと、無闇である。
エリュティアは、イーニシュフェルト魔導学院の卒業生。
こちらもなかなか珍しい、探索魔法を得意とする魔導師だ。
エリュティアのことを、たかが探索魔法?と侮ると。
痛い目を見るだけでは済まないということを、先に忠告しておこう。
探索魔法が得意というだけで、魔導部隊の大隊長をやっている訳ではない。
一方、もう一人の無闇。
彼は、シルナの教え子ではないが…。
「何々?何か事件でも起きたの?」
ゆらり、と。
無闇の背中から、髪の長い女性が宙に浮いた。
まさか幽霊…!ではない。
彼女こそ、無闇の持つ魔導書の化身。
『死火』の写し身なのである。
その魔導書は、『禁忌の黒魔導書』にも匹敵する力がある。
一時期は、神を殺せる魔導書だと噂されていたが。
『死火』と、その守り人である無闇の実力を見れば。
神を殺せるなどという、その眉唾な噂も…あながち間違いではない、と思うことだろう。
俺も思ったから。
そして『死火』の化身、彼女の名前は月読(つくよみ)と言う。
「事件じゃないんだけどね〜。退屈だったから、遊びに来ちゃった」
「な〜んだ、事件じゃないのか〜」
何故か、ちょっと残念そうな月読である。
思ったより好戦的なんだよな、この子。
可愛らしい見た目に反して。
それだけ、自分と自分の相棒に自信がある、ということなのだろう。
実際、誇るに足るだけの実力はあるし。
それにしても。
「最近、二人セットでいることが多いな」
エリュティアと無闇のことである。
この二人がペアを組むようになったのは、『カタストロフィ』と一悶着あったときからだ。
そして、未だにそのペアは解消されていない。
「シュニィ隊長から受けた任務なんです」
「任務?」
「ジャマ王国にある『アメノミコト』の本拠地を探ることです」
「!」
『アメノミコト』の…本拠地だって?
「あ、一応秘匿任務なので、これはここだけの話ということで…」
「わ、分かった」
「まぁ、この二人は渦中真っ只中の人間だから、殊更隠す必要はないと思うがな」
と、無闇。
秘匿任務を打ち明けてくれたってことは、それだけ信用してくれてるってことだ。
勿論、他に漏らすつもりはない。
「『アメノミコト』の本拠地か…。確かに、把握出来ていたら、有益な情報になるね」
シルナが言った。
言われてみれば、そうだな。
『アメノミコト』は俺達の居場所を知ってるのに。
俺達は、『アメノミコト』の居場所どころか、組織の本拠地すら知らないのだから。
情報戦においては、こちらが負けている状態。
それを憂慮して、シュニィはエリュティア達に指示を出したのだろう。
『アメノミコト』の居場所を、探すようにと。
「あっ」
「あれ、学院長?」
「どうした、二人して」
廊下の曲がり角で、魔導部隊大隊長二人組と鉢合わせた。
エリュティアと、無闇である。
エリュティアは、イーニシュフェルト魔導学院の卒業生。
こちらもなかなか珍しい、探索魔法を得意とする魔導師だ。
エリュティアのことを、たかが探索魔法?と侮ると。
痛い目を見るだけでは済まないということを、先に忠告しておこう。
探索魔法が得意というだけで、魔導部隊の大隊長をやっている訳ではない。
一方、もう一人の無闇。
彼は、シルナの教え子ではないが…。
「何々?何か事件でも起きたの?」
ゆらり、と。
無闇の背中から、髪の長い女性が宙に浮いた。
まさか幽霊…!ではない。
彼女こそ、無闇の持つ魔導書の化身。
『死火』の写し身なのである。
その魔導書は、『禁忌の黒魔導書』にも匹敵する力がある。
一時期は、神を殺せる魔導書だと噂されていたが。
『死火』と、その守り人である無闇の実力を見れば。
神を殺せるなどという、その眉唾な噂も…あながち間違いではない、と思うことだろう。
俺も思ったから。
そして『死火』の化身、彼女の名前は月読(つくよみ)と言う。
「事件じゃないんだけどね〜。退屈だったから、遊びに来ちゃった」
「な〜んだ、事件じゃないのか〜」
何故か、ちょっと残念そうな月読である。
思ったより好戦的なんだよな、この子。
可愛らしい見た目に反して。
それだけ、自分と自分の相棒に自信がある、ということなのだろう。
実際、誇るに足るだけの実力はあるし。
それにしても。
「最近、二人セットでいることが多いな」
エリュティアと無闇のことである。
この二人がペアを組むようになったのは、『カタストロフィ』と一悶着あったときからだ。
そして、未だにそのペアは解消されていない。
「シュニィ隊長から受けた任務なんです」
「任務?」
「ジャマ王国にある『アメノミコト』の本拠地を探ることです」
「!」
『アメノミコト』の…本拠地だって?
「あ、一応秘匿任務なので、これはここだけの話ということで…」
「わ、分かった」
「まぁ、この二人は渦中真っ只中の人間だから、殊更隠す必要はないと思うがな」
と、無闇。
秘匿任務を打ち明けてくれたってことは、それだけ信用してくれてるってことだ。
勿論、他に漏らすつもりはない。
「『アメノミコト』の本拠地か…。確かに、把握出来ていたら、有益な情報になるね」
シルナが言った。
言われてみれば、そうだな。
『アメノミコト』は俺達の居場所を知ってるのに。
俺達は、『アメノミコト』の居場所どころか、組織の本拠地すら知らないのだから。
情報戦においては、こちらが負けている状態。
それを憂慮して、シュニィはエリュティア達に指示を出したのだろう。
『アメノミコト』の居場所を、探すようにと。


