僕が、定められたポイントに向けて駆け出している、丁度その頃。
僕に伝言を託された、ユイト・ランドルフ君は。
無事授業前に、教室に辿り着いて…、
…いなかった。
彼は、一時間目の授業が行われる教室には向かっていなかった。
代わりに。
実技授業が行われる、稽古場にいた。
こんな時間に稽古場になんていたら、一時間目のイレース先生の授業には、間違いなく間に合わない。
脳天に雷必至。
それなのに、彼はそこにいた。
何故か。
その理由は簡単だった。
彼には、イレース先生の授業よりも大事なものがあったからだ。
すると、そこに。
「…何をやってるんですか」
「…ナジュ…先生」
僕は知らなかった。
ユイト・ランドルフ君の言う、前のルームメイトが。
他ならぬ、このルーチェス・ナジュ・アンブローシアであることを。
「令月が…令月が、今朝…」
ユイト君は、自分の授業をサボってまで、不死身先生に会いに来た。
その理由は、ひとえに、
「あぁ…。成程、はいはい。言わなくて良いですよ」
不死身先生は、笑顔だった。
「報告ありがとうございます。自分の授業に戻って良いですよ」
「でも…」
「遅刻のことなら、イレースさんには、ちゃんと怒らないよう言っときますから。それと…」
「…それと?」
「あの、人の言うこと一ミリも聞かない悪ガキについては、僕達に任せてください。本当、超ありがとうございました」
ユイト・ランドルフ君は、何も言えなかった。
見たこともないくらい、不死身先生の顔が笑顔だったからである。
…真っ黒の。
僕に伝言を託された、ユイト・ランドルフ君は。
無事授業前に、教室に辿り着いて…、
…いなかった。
彼は、一時間目の授業が行われる教室には向かっていなかった。
代わりに。
実技授業が行われる、稽古場にいた。
こんな時間に稽古場になんていたら、一時間目のイレース先生の授業には、間違いなく間に合わない。
脳天に雷必至。
それなのに、彼はそこにいた。
何故か。
その理由は簡単だった。
彼には、イレース先生の授業よりも大事なものがあったからだ。
すると、そこに。
「…何をやってるんですか」
「…ナジュ…先生」
僕は知らなかった。
ユイト・ランドルフ君の言う、前のルームメイトが。
他ならぬ、このルーチェス・ナジュ・アンブローシアであることを。
「令月が…令月が、今朝…」
ユイト君は、自分の授業をサボってまで、不死身先生に会いに来た。
その理由は、ひとえに、
「あぁ…。成程、はいはい。言わなくて良いですよ」
不死身先生は、笑顔だった。
「報告ありがとうございます。自分の授業に戻って良いですよ」
「でも…」
「遅刻のことなら、イレースさんには、ちゃんと怒らないよう言っときますから。それと…」
「…それと?」
「あの、人の言うこと一ミリも聞かない悪ガキについては、僕達に任せてください。本当、超ありがとうございました」
ユイト・ランドルフ君は、何も言えなかった。
見たこともないくらい、不死身先生の顔が笑顔だったからである。
…真っ黒の。


