監視の目を潜り抜けて、再び学生寮に戻る。
自分の部屋に帰って、まず僕は、ルームメイトのユイト君の安否を確かめた。
彼は、相変わらず寝息を立てていた。
ひとまず、ホッとした。
殺されずに済んだようだ。
次に、僕は自分の勉強机の上を見た。
そこには、同じく見覚えのあるメモ用紙が置いてあった。
…ついさっき。
僕が外で、『八千歳』と話してる間に。
彼と一緒に来たもう一人が、ここに忍び込んだのだ。
そして、このメモを置いていった。
…ついで感覚で、ユイト君が殺されていてもおかしくなかったのだ。
僕が少しでも返答を間違えば、殺されてたかもしれない。
僕は暗がりの中で、メモを読んだ。
明日の正午に、指定されたポイントに来るよう指示されていた。
…ここで一騎討ちしようという訳か。
学院の敷地内では、横槍が入る。
だから、敢えて学院の外に呼び出すことにしたらしい。
正しい選択だ。
『八千歳』は、正しい選択をした。
じゃあ、僕は?
僕が取るべき、正しい選択は何だ?
「…」
ユイト君。
さっき殺されててもおかしくなかった。
シルナ学院長。
羽久。
イレース先生。
不死身先生。
天音先生。
僕は、僕を守ってくれるであろう人々の顔を思い浮かべた。
一人で背負うな、と言われた。
…じゃあ、僕の取るべき、正しい選択は?
「…僕は…」
…僕は、ライターで火をつけ、メモ用紙を燃やした。
自分の部屋に帰って、まず僕は、ルームメイトのユイト君の安否を確かめた。
彼は、相変わらず寝息を立てていた。
ひとまず、ホッとした。
殺されずに済んだようだ。
次に、僕は自分の勉強机の上を見た。
そこには、同じく見覚えのあるメモ用紙が置いてあった。
…ついさっき。
僕が外で、『八千歳』と話してる間に。
彼と一緒に来たもう一人が、ここに忍び込んだのだ。
そして、このメモを置いていった。
…ついで感覚で、ユイト君が殺されていてもおかしくなかったのだ。
僕が少しでも返答を間違えば、殺されてたかもしれない。
僕は暗がりの中で、メモを読んだ。
明日の正午に、指定されたポイントに来るよう指示されていた。
…ここで一騎討ちしようという訳か。
学院の敷地内では、横槍が入る。
だから、敢えて学院の外に呼び出すことにしたらしい。
正しい選択だ。
『八千歳』は、正しい選択をした。
じゃあ、僕は?
僕が取るべき、正しい選択は何だ?
「…」
ユイト君。
さっき殺されててもおかしくなかった。
シルナ学院長。
羽久。
イレース先生。
不死身先生。
天音先生。
僕は、僕を守ってくれるであろう人々の顔を思い浮かべた。
一人で背負うな、と言われた。
…じゃあ、僕の取るべき、正しい選択は?
「…僕は…」
…僕は、ライターで火をつけ、メモ用紙を燃やした。


