神殺しのクロノスタシス3

…この馬鹿。

何言ってんの?

すぐりの心の傷に、塩を塗りたくったぞ。

「…学院長、あなた、気は確かですか?」

イレースが、半分本気、半分ドン引きの表情で聞いた。

俺も聞きたかった。

これがもし、本気で言ってるのなら。

俺は今すぐ、シルナを老人ホームに連れていく。

こいつもうボケ回してるので、介護お願いします、って頼む。

「…なんだか羽久が、また私に失礼なことを考えてる気がする」

「お前が馬鹿なこと言うからだろ!」

しかし、すぐりは。

「…いーよ。事実なんだから」

ほらぁぁ!完全に自信失っちゃってる!

「令月!何か言ってやれ。元同僚だろ」

「うん。大丈夫だよ『八千歳』。砂浜に打ち上げられてる漂流物だって、何かしらの役には立つんだから。『八千歳』だって、きっと役に立てるよ」

慰め方が間違ってる。

駄目だ。ジャマ王国の、しかも『アメノミコト』育ちの令月に、一般常識を求めた俺か馬鹿だった。

ならば。

「ナジュ!お前も何か言ってやれ」

「…」

ホワイトボードに書き書き。

『言ってやれと言われても、僕今口縫われてて。』

「お前の、そのホワイトボードは、何の為にあるんだよ!」

口で言わなくても良い。ホワイトボードに書いて…。

すると。

ナジュが、またしてもホワイトボードに何かを書いた。

今度こそ、すぐりを慰める為に何か良いことを、と思ったが。

違っていた。

『心配要らないですよ。』

と、その一言だけ。

心配要らない…?

心配要らないって、でもすぐりは今…。

シルナが余計なこと言ったせいで、落ち込みまくって。

「良いかい、すぐり君。確かに君は今、役立たずかもしれない。私はそうは思わないけど、君がそこまで頑なに役立たずだと思うのなら、きっとそうなんだろう」

と、シルナ。

「…うん。それは知って…」

「しかし!しかしだよ!」

え?

「今役立たずなんだったら、これから役に立てるようになれば良いだけでしょ!」

「…!」

すぐりが、ハッと顔を上げた。

…シルナ、お前。