「あの場で頭領様に言われたことは、全部事実だし…」
「すぐり、そんなことないだろ」
「いーんだってば。認めたくなかっただけで、本当は心の底では分かってた。俺がいくら努力して頑張ったって、頭領様が期待してたのは『八千代』だけだった。俺は所詮、使い捨ての、役立たずの道具でしかなかった」
「すぐり」
そうじゃないだろ。
「あんな奴の言うこと、真に受けるな。あれは影武者だったんだ」
「でも、中身は頭領様だったよ。分かってるでしょ」
「…」
…それは。
「おまけに、『薄暮』に、体内にあんな仕掛けを仕込まれてたことも知らなかった。完全に使い捨てだったんだ、俺。そんなことも知らなくて、戦力になるどころか、皆を危険に晒して、ナジュせんせーまで死ぬほど苦しめちゃった」
自嘲して笑いながら言うすぐりに。
ナジュが、さらさらと何かを書き始めた。
きっと、すぐりを慰める言葉を…。
『全くですよ。超苦しかったんですからねあれ。』
この馬鹿ナジュ。
こんな傷心のすぐりを、更に追い詰めてどうする。
「…だよね。何て言うか…。…ごめん」
案の定、めっちゃ落ち込んじゃってる。
「そ、そ、そんなことないよすぐり君!確かにあれはびっくりしたけど、当たったら私達即死並みだったけど、でもほら、君のせいじゃないでしょ?すぐり君だって知らなかったんだから、ね?」
あわあわと、必死に慰めようとするシルナだったが。
むしろ追い詰めてる感。
ますます、落ち込むすぐり。
しかし。
令月は、落ち込んだすぐりに、あっけらかんとして言った。
「今更そんなこと、気にしなくて良いよ。それが頭領のやり口でしょ」
「…『八千代』…」
「『八千歳』だって、身体にあんな仕掛けが施されてること、知ってて黙ってた訳じゃないんでしょ?」
「…当たり前でしょ」
自覚があるんだったら、ナジュの読心魔法で、とっくにバレてただろうからな。
本人に自覚がないことは、ナジュの読心魔法でも読めない。
だって、知らないんだから。
自分でも知らないことを、どうして他人が知ることが出来ようか。
だから。
「あれはお前のせいじゃない。もう気にするな」
「…」
隣で、またナジュが何か書いてる。
またすぐりに、追い打ちするようなことを書いたなら。
本格的に、ファラリスの雄牛に登場してもらおう。
と、思ったが。
『死ぬほど苦しかったですけど、でも僕、死ぬほど痛いのも苦しいのも慣れてますから。僕も伊達に不死身やってないんで、そんなことくらいで落ち込まないでください。』
「ナジュせんせー…」
…良かった。
ファラリスは回避だな。
それから。
「…で?誰が戦力にならなかったって?」
こっちにも、異義を唱えさせてもらうぞ。
「戦力…なってなかったじゃん、俺」
「あ?あの面倒臭い水色を始末出来たのは、誰の作戦のお陰だっけ?」
忘れたとは言わせないぞ。
己の戦果くらい、ちゃんと覚えておけ。
「すぐり、そんなことないだろ」
「いーんだってば。認めたくなかっただけで、本当は心の底では分かってた。俺がいくら努力して頑張ったって、頭領様が期待してたのは『八千代』だけだった。俺は所詮、使い捨ての、役立たずの道具でしかなかった」
「すぐり」
そうじゃないだろ。
「あんな奴の言うこと、真に受けるな。あれは影武者だったんだ」
「でも、中身は頭領様だったよ。分かってるでしょ」
「…」
…それは。
「おまけに、『薄暮』に、体内にあんな仕掛けを仕込まれてたことも知らなかった。完全に使い捨てだったんだ、俺。そんなことも知らなくて、戦力になるどころか、皆を危険に晒して、ナジュせんせーまで死ぬほど苦しめちゃった」
自嘲して笑いながら言うすぐりに。
ナジュが、さらさらと何かを書き始めた。
きっと、すぐりを慰める言葉を…。
『全くですよ。超苦しかったんですからねあれ。』
この馬鹿ナジュ。
こんな傷心のすぐりを、更に追い詰めてどうする。
「…だよね。何て言うか…。…ごめん」
案の定、めっちゃ落ち込んじゃってる。
「そ、そ、そんなことないよすぐり君!確かにあれはびっくりしたけど、当たったら私達即死並みだったけど、でもほら、君のせいじゃないでしょ?すぐり君だって知らなかったんだから、ね?」
あわあわと、必死に慰めようとするシルナだったが。
むしろ追い詰めてる感。
ますます、落ち込むすぐり。
しかし。
令月は、落ち込んだすぐりに、あっけらかんとして言った。
「今更そんなこと、気にしなくて良いよ。それが頭領のやり口でしょ」
「…『八千代』…」
「『八千歳』だって、身体にあんな仕掛けが施されてること、知ってて黙ってた訳じゃないんでしょ?」
「…当たり前でしょ」
自覚があるんだったら、ナジュの読心魔法で、とっくにバレてただろうからな。
本人に自覚がないことは、ナジュの読心魔法でも読めない。
だって、知らないんだから。
自分でも知らないことを、どうして他人が知ることが出来ようか。
だから。
「あれはお前のせいじゃない。もう気にするな」
「…」
隣で、またナジュが何か書いてる。
またすぐりに、追い打ちするようなことを書いたなら。
本格的に、ファラリスの雄牛に登場してもらおう。
と、思ったが。
『死ぬほど苦しかったですけど、でも僕、死ぬほど痛いのも苦しいのも慣れてますから。僕も伊達に不死身やってないんで、そんなことくらいで落ち込まないでください。』
「ナジュせんせー…」
…良かった。
ファラリスは回避だな。
それから。
「…で?誰が戦力にならなかったって?」
こっちにも、異義を唱えさせてもらうぞ。
「戦力…なってなかったじゃん、俺」
「あ?あの面倒臭い水色を始末出来たのは、誰の作戦のお陰だっけ?」
忘れたとは言わせないぞ。
己の戦果くらい、ちゃんと覚えておけ。


