神殺しのクロノスタシス3

馬鹿ナジュは置いとくとして。

「じゃ、一応私達は、『終日組』の戦力を減らしてやったんですね」

「そうなるね」

成程。

俺達の戦いも、あながち無駄ではなかったと。

そう思うと、少しは溜飲の下がる思いだ。

あれだけ苦労したのに、「何の成果もありませんでした」じゃあ、落胆どころじゃ済まない。

『僕の犠牲も無駄になりますしねー。』

そーですね。

それにしても。

「『終日組』でも、捨て駒にされるのか…」

捨て駒は、『終日組』に入れない、下っ端の役目じゃなかったのか?

「『アメノミコト』にいる限り、頭領以外の全員、捨て駒にされる可能性はあるよ。絶対安心な地位なんてない」

「令月…」

鬼頭にあれだけ、お気に入り扱いされてた令月でさえ、こう言うのだ。

ならば、それが事実なのだろう。 

すると、すぐりが。

「多分、『終日組』の中でも、比較的弱い…あるいは、耄碌してきた暗殺者なんだろうね。俺みたいな」

「おい、すぐり…」

「良いよ。こう例えた方が分かりやすいでしょ?」

そういうことじゃない。

「同じ『終日組』でも、序列みたいなものはあるってことでしょ。『八千代』は才能があるから大事にされてた。でも同じ『終日組』でも、俺や『玉響』みたいな、弱いカードは、捨て駒にもされる」

「…」

「だから今回選ばれたのは、その弱いカード達なんでしょ。さしづめ…『終日組』の下っ端、ってところかな?」

…お前。

自分をそこに含めてるんじゃないだろうな。

と思ったら。

「いやぁ、俺は裏切っといて良かったなぁ。でないと、間違いなく今回の任務に選ばれて、君達に殺されてたよ」

「おい」

「いや、その前に『玉響』と一緒に、『八千代』暗殺に選ばれた時点で、捨て駒扱いだったんだろーね。きっと」

「やめろ、すぐり」

そんな…自分を。

価値のないものみたいに、言うのはやめろ。

お前は捨て駒でも何でもない。

花曇すぐりという、一人の人間なんだ。

しかし。

「…いーよ、別に。分かってたから」

「すぐり…」

すぐりは、不貞腐れたような…全てを諦めたような顔で、ポツリと呟いた。