神殺しのクロノスタシス3

改めて。

天音以外の全員が集まったので、話し合いを始めるとしよう。 

若干一名、話し合いじゃなくて、ホワイトボードで書き合いだが。

それは気にしない。

自業自得だからな。  

…で、それは良いとして。  

「…シルナ」

「うん」

「今回の騒動、どう見る?」

「…うーん…。難しいところだよね」

…だな。

「じゃ、勝ちか敗けかで言えば?」

「…正直、あまり言いたくはないけど」

と、シルナは溜息混じりに言った。

「試合に勝って、勝負に負けた…。というのが、個人的な感想だね」

「…」

「同感ですね」

イレースも同意。

試合に勝って、勝負に負けた…か。

確かにそうかもな。

俺達は、確かにあの場での勝利は収めた。

勝って帰った。一人も欠けずに。

一人ミンチになったけど、でも生きて帰った。

一方の、あの場にやって来た『終日組』暗殺者達は、一人残らず始末した。

そう思えば、俺達は勝った。

あの場を制したのは、間違いなく俺達だ。

しかし。

『多分向こうとしては、痛くも痒くもありませんよ。鬼頭があの場に来てなかった時点で、向こうは単なる遊びくらいにしか思ってなかったんでしょうし。』

ナジュが、さらさらとホワイトボードに書いてみせた。

…認めたくはないが。

そうなのかもしれない。

『で、遊びの為に派遣されるのは、殺されても構わない捨て駒でしょうから。多分鬼頭にとっては、捨て駒を殺されたところで、少しの痛手にもなってないのでは?』

「…」

あの鬼頭夜陰という人間の、忌々しい性分を考えれば。

充分有り得る話だ。

あの場に来ていたレインボー集団は、単なる捨て駒で。

鬼頭にとっては、失ったところで少しも痛くない…。

「…でも」

と、シルナが言った。

「君達二人なら、もっと違う意見があるんじゃないかな」

令月と、すぐりに向かって。

「…僕ら?」

「うん。君達は…どう思う?あまり…思い出したくはないかもしれないけど」

「馬鹿だな」

すぐりが答えた。

「思い出すのが辛いくらいなら、裏切ったりしないよ」

…強がりやがって。

すぐりを散々貶し、馬鹿にした鬼頭。

あいつは確かに影武者だったが、しかしその言葉は、鬼頭本人のものだ。

そんなこと、すぐりが一番よく分かっていることだろう。

「じゃあ…二人はどう思う?今回の騒動は…」
 
「…五分五分、ってところじゃないかな?」

…おっ。

早速、大人達とは違う意見が飛び出してきた。