「さぁ、随分人数も減りましたし、あとは残りの始末を、」
「ナジュ!」
『薄暮』だった。
『薄暮』の執念の一撃が、ナジュの目の前に迫った。
咄嗟に仰け反って避け、同時にナジュは、風魔法の刃で『薄暮』の喉元を切り裂いた。
即死だ。
たが、『薄暮』もタダでは死ななかった。
『薄暮』の細いナイフが、彼女の起死回生の一撃が、ナジュの口元を掠めた。
致命傷ではないものの、傷を負わされた。
「いったぁ。全くこの男前の顔に傷をつけるとか、酷いことす、∇∶ερ⊄≪<Ο↻↹$©」
「ナジュ!?」
今、人語喋ってなかったんだけど?
「…」
ナジュの口元を切った傷痕は、早くも塞がり始めていたが。
ナジュは無言で、喉元を押さえ。
じーっと、俺達を見つめた。
アイコンタクトで、何か伝えようとしてくれてるみたいだが…。
大体、察しはつく。
「…毒か?」
「…」
こくこく、と頷くナジュ。
成程。
『薄暮』の奴、最後の最後までやってくれる。
傷口は僅かながら、彼女はナイフに毒を仕込んでいた。
彼女はナジュと差し違えて、ナジュの読心魔法を無効化したのだ。
具体的に言うと、作戦その2を潰してきやがった。
心を読み、その情報を口頭で俺達に伝えることで、敵の動きを先読みして戦うのが、作戦その2だった。
だが、『薄暮』は毒によって、ナジュの口を塞いだ。
喋れなくしてしまえば、いくら心を読もうとも、味方に伝えることは出来ないと踏んだのだ。
その為だけに。ナジュの読心魔法を封じる為だけに、命を投げ出してまで…。
「ほう、成程。よくやった『薄暮』」
味方の『終日組』レインボー暗殺者達が、バタバタと倒れていくのを。
黙って高みの見物してただけの糞ジジィが、死んだ『薄暮』にそう言った。
「命を賭して、敵の司令塔を潰してから死んだ。役に立つ死に方だ」
「…」
「何処ぞの…自爆しても、何の役にも立たなかったどころか、敵に寝返った餓鬼とは、大違いだ」
「…おい」
この、糞ジジィ。
「それがもし、すぐりのことを言ってるんなら…今すぐお前を殺すぞ」
「ふん…。やれるものなら、やってみるが良い」
言ったな?
じゃあ、遠慮なくやってやるよ。
「eimt edvanca」
俺は再び、時魔法によって身体を加速させ、一気に、鬼頭との距離を詰め。
そのムカつく頭と、胴体を泣き別れさせてやろうとした。
しかし。
「させないっ!」
「っ!!」
レインボー集団の一人、オレンジが。
鬼頭と俺の間に、身を挺して滑り込んだ。
俺の渾身の氷魔法の刃は、鬼頭の代わりに、オレンジの身体を切り裂いた。
オレンジは、血飛沫を上げて倒れた。
目の前で、自分の部下が、自分を守る為に命を投げ出したというのに。
鬼頭は、オレンジを見下ろすことさえしなかった。
…そうかよ。
お前にとって部下は、仲間は、そういう存在か。
自分に危機があれば、必ず味方が、命を投げ出してでも助けてくれる。
それを確信しているから、いくらでも高みの見物が出来るって訳か。
「…お前は、俺を苛立たせる天才だな」
「…」
この上ない憎悪を込めて、悪態をついたが。
鬼頭夜陰は、蛇のように気色の悪い笑みを浮かべただけだった。
「ナジュ!」
『薄暮』だった。
『薄暮』の執念の一撃が、ナジュの目の前に迫った。
咄嗟に仰け反って避け、同時にナジュは、風魔法の刃で『薄暮』の喉元を切り裂いた。
即死だ。
たが、『薄暮』もタダでは死ななかった。
『薄暮』の細いナイフが、彼女の起死回生の一撃が、ナジュの口元を掠めた。
致命傷ではないものの、傷を負わされた。
「いったぁ。全くこの男前の顔に傷をつけるとか、酷いことす、∇∶ερ⊄≪<Ο↻↹$©」
「ナジュ!?」
今、人語喋ってなかったんだけど?
「…」
ナジュの口元を切った傷痕は、早くも塞がり始めていたが。
ナジュは無言で、喉元を押さえ。
じーっと、俺達を見つめた。
アイコンタクトで、何か伝えようとしてくれてるみたいだが…。
大体、察しはつく。
「…毒か?」
「…」
こくこく、と頷くナジュ。
成程。
『薄暮』の奴、最後の最後までやってくれる。
傷口は僅かながら、彼女はナイフに毒を仕込んでいた。
彼女はナジュと差し違えて、ナジュの読心魔法を無効化したのだ。
具体的に言うと、作戦その2を潰してきやがった。
心を読み、その情報を口頭で俺達に伝えることで、敵の動きを先読みして戦うのが、作戦その2だった。
だが、『薄暮』は毒によって、ナジュの口を塞いだ。
喋れなくしてしまえば、いくら心を読もうとも、味方に伝えることは出来ないと踏んだのだ。
その為だけに。ナジュの読心魔法を封じる為だけに、命を投げ出してまで…。
「ほう、成程。よくやった『薄暮』」
味方の『終日組』レインボー暗殺者達が、バタバタと倒れていくのを。
黙って高みの見物してただけの糞ジジィが、死んだ『薄暮』にそう言った。
「命を賭して、敵の司令塔を潰してから死んだ。役に立つ死に方だ」
「…」
「何処ぞの…自爆しても、何の役にも立たなかったどころか、敵に寝返った餓鬼とは、大違いだ」
「…おい」
この、糞ジジィ。
「それがもし、すぐりのことを言ってるんなら…今すぐお前を殺すぞ」
「ふん…。やれるものなら、やってみるが良い」
言ったな?
じゃあ、遠慮なくやってやるよ。
「eimt edvanca」
俺は再び、時魔法によって身体を加速させ、一気に、鬼頭との距離を詰め。
そのムカつく頭と、胴体を泣き別れさせてやろうとした。
しかし。
「させないっ!」
「っ!!」
レインボー集団の一人、オレンジが。
鬼頭と俺の間に、身を挺して滑り込んだ。
俺の渾身の氷魔法の刃は、鬼頭の代わりに、オレンジの身体を切り裂いた。
オレンジは、血飛沫を上げて倒れた。
目の前で、自分の部下が、自分を守る為に命を投げ出したというのに。
鬼頭は、オレンジを見下ろすことさえしなかった。
…そうかよ。
お前にとって部下は、仲間は、そういう存在か。
自分に危機があれば、必ず味方が、命を投げ出してでも助けてくれる。
それを確信しているから、いくらでも高みの見物が出来るって訳か。
「…お前は、俺を苛立たせる天才だな」
「…」
この上ない憎悪を込めて、悪態をついたが。
鬼頭夜陰は、蛇のように気色の悪い笑みを浮かべただけだった。


