神殺しのクロノスタシス3

イーニシュフェルト魔導学院の敷地内には現在、無数の目がある。

学院長の分身という、監視の目だ。

だが、僕はハナから、こんなものには期待していない。

だって。

僕でさえ、簡単にこの監視を潜り抜けて、学院の校舎裏まで、あっさりと辿り着けたのだから。

僕と同列に並べられる『終日組(ひねもすぐみ)』の暗殺者なら、こんなもの。

監視のうちにすら入らない。

だから。

「…元気そうだね、安心したよ」

「…」

「随分お気楽な生活を送ってるようだね」

「…」

…そうか。

やっぱり、君が来たか。

「…『八千歳』…」

「久し振りだね…。『八千代』」

因縁の再会というのがこの世にあるなら、今、この瞬間のことを言うのだろう。