一瞬、僕は迷った。
一人で背負うな、と言われた。
言われたけど。
でも、出来ない。
だって、そんなことをすれば…。
「…」
僕は、くしゃり、とそのメモ用紙を握り締めた。
…結局、僕は逃げられないということだ。
ならば、僕が向き合わなくては。
「…令月?どうかしたのか?」
「…何でもないよ」
僕は、ルームメイトにそう答えた。
そう、何でもない。
分かっていたことじゃないか。最初から。
『アメノミコト』を、裏切ったときから。
だから。
「…ごめんね」
深夜、就寝時間が過ぎて二時間ほどがたった頃。
僕はそっとベッドから起き出し、向かい側のベッドに向かった。
ルームメイトの、ユイト・ランドルフ君の眠るベッドに。
僕は指先に仕込んだ針を、彼の首筋に当てた。
別に殺すつもりはない。
ただ、少し眠ってもらわなければならないから。
万が一、目を覚ますことがないように。
微量ながら、睡眠薬を注入させてもらった。
さぁ、これが終わったら。
そろそろ、約束の時間だ。
「…ちょっと、出掛けてくる」
僕は黒装束をまとって、夜の闇に溶け出した。
一人で背負うな、と言われた。
言われたけど。
でも、出来ない。
だって、そんなことをすれば…。
「…」
僕は、くしゃり、とそのメモ用紙を握り締めた。
…結局、僕は逃げられないということだ。
ならば、僕が向き合わなくては。
「…令月?どうかしたのか?」
「…何でもないよ」
僕は、ルームメイトにそう答えた。
そう、何でもない。
分かっていたことじゃないか。最初から。
『アメノミコト』を、裏切ったときから。
だから。
「…ごめんね」
深夜、就寝時間が過ぎて二時間ほどがたった頃。
僕はそっとベッドから起き出し、向かい側のベッドに向かった。
ルームメイトの、ユイト・ランドルフ君の眠るベッドに。
僕は指先に仕込んだ針を、彼の首筋に当てた。
別に殺すつもりはない。
ただ、少し眠ってもらわなければならないから。
万が一、目を覚ますことがないように。
微量ながら、睡眠薬を注入させてもらった。
さぁ、これが終わったら。
そろそろ、約束の時間だ。
「…ちょっと、出掛けてくる」
僕は黒装束をまとって、夜の闇に溶け出した。


