神殺しのクロノスタシス3

「まぁ、この頃あなた、いつにも増して菓子食べ過ぎですからね」

「うぐっ」

グサリ。

「『ヘンゼルとグレーテル』とかいう店に唆されて、全国各地の菓子をバクバクと」

「はうっ!」

グサリ。

「そうでなくても、毎日三食、主食のようにチョコレートばかりを貪り食って。知ってます?チョコレートって、意外にカロリー高いんですよ」

「ふぎゅっ!」

グサリ。

「そうでなくても、あなたの好む菓子って、カロリー、糖質、高いものばかりですものね。チョコ、ケーキ、マフィンにバームクーヘン…」

「あぐっ!」

グサリ。

「先日の回転寿司でも、あなたスイーツメニューしか食べてなかったじゃないですか。店員さんにドン引きされてたの、気づいてなかったんですか?」

「ひうっ!」

グサリ。

イレース毒舌砲、炸裂。

雨あられのように、言葉の攻撃という名の口撃が襲い掛かる。

そしてそれは、言い返しようのない、紛れもない…、

…事実である。

「で、でもナジュ君だって」

「はい?」

苦し紛れのシルナ。

ナジュを巻き込もうとする。

「ナジュ君だって食べてるよ。私のお菓子摘み食いしたり…」

しかし。

「ナジュさんは、あなたほどは食べてないでしょう。それに彼は、つい一ヶ月前まで寝たきりで、体力も体格も衰えてますから。その分を補給する為にも、食物の摂取は悪いことではありません」

「ぷぎゃっ!」

必死の抵抗も、あっさり撃退。

こちらもまた、紛れもない事実である。

「で、で、でも、令月君だって毎日お菓子…」

それでも諦めず、醜い抵抗を試みるも。

「令月さんは子供でしょう。それに、ジャマ王国での栄養不足のせいで、成長も遅れがちです。彼が食べるのは褒められこそすれど、責められることではありません」

「ふぎゃっ!」

シルナ、完敗。
 
その上で、イレースの口から、シルナにとどめの一撃が入った。

「…最近太りましたね、学院長」

「…」

シルナは、雷に打たれたようにビクッ!として。

ふらふらふら〜と、一歩、二歩と歩き。

「…ばたんきゅー」

「あ、死んだ」

…令月。

一応、死んではないからな。

死ぬほどショックを受けたというだけで。