こうしてシルナは、遠い空のお星様になった訳だが。
一時間後には、現世に戻ってきた。
生きてたのかお前。良かったな。
しかし。
「うぐっ…ふぇぇ…うぇぇん…」
イレースの渾身の一撃が、あまりに痛かったらしく。
未だにめそめそ泣いていた。
良い歳したおっさんが泣くな。
と、言いたいところだが。
あのイレースにあれだけ叱られて、泣かない人がいるのなら見てみたい。
俺でも泣くわ。あんなの。
おまけに。
「イーニシュフェルト魔導学院の学院長ともあろう者が、あんな狡賢い手口を使ってまで菓子に手を出すなんて…」
説教が終わっても、まだグチグチ言われてる。
説教、絶賛続行中。
「あちこち連絡を取って確認して、あんな惨めな思いになったのは初めてですよ。恥ずかしいったらありゃしない。何考えてるんですかこの馬鹿」
馬鹿呼ばわり。
「大体、あんなお粗末な偽造ごときで、この私の目を誤魔化せると思っていたことに猛烈な怒りを覚えます」
一度怒りを爆発させた後なので、少しは大人しいが。
大人しい(当社比)。
「ラミッドフルス時代と合わせて、私が一体何年、学院の経理に携わってると思ってるんです?馬鹿にしてるんですかこの馬鹿」
またしても馬鹿呼ばわり。
していると。
学院長室の窓が開き。
「修羅場終わった?」
窓枠に足をかけた令月が、戻ってきた。
窓から戻ってくるな。ちゃんと扉から入ってこい。
「残念ながら、修羅場進行中だ」
「じゃあ帰った方が良い?」
「いや、一応一番の修羅場は終わった」
「そうなんだ。じゃ、戻ろっか」
令月は、しゅたっ、と窓から入ってきた。
お帰り。
いつもならこんな姿を見たら、窓から入ってくるなんて、とぶつぶつ言うはずのイレースだが。
そんなことはどうでも良いとばかりに、チクチクとシルナを責めていた。
「性懲りもなく、あんなところからあんな大量の菓子を注文して。馬鹿なんですか?あなた、自分が魔導学院の経営者だって分かってるんですか?菓子屋の店長じゃないんですよ」
「ふぁい…」
シルナ、涙目。
「そうだというのに、一度ならぬ二度までも、こんな愚かな行為を繰り返し。あまつさえ、私の目を掻い潜ってこんな卑怯なことを…。教師のやることですか?それが。あなた本当に教師ですか」
精神的に責めてくる感じ。
心に来るなぁ…。
これでも教師なんだよ。
「教師として、誠に不甲斐ない。そこの読心教師じゃあるまいに、イーニシュフェルトの非常識教師は、あの読心教師一人で充分です」
「…なんか僕までとばっちり受けてません?僕ほど常識的な教師はいないはずなんですけどねぇ」
なんか言ってるぞ。イーニシュフェルトが誇る非常識教師が。
「しかもそれが学院長、おまけにルーデュニア聖王国最高峰の魔導学院の学院長だって言うんだから、世も末です。全く恥ずかしいのと情けないのと…」
「…」
「…やっぱり老人ホーム行きますか?」
パンフレットをバシッ、と叩くイレース。
「…行きたくないです…」
めそめそと答えるシルナ。
そうだな。
年齢的にはとっくに行っててもおかしくないが、一応これでも、ルーデュニアではトップクラスの魔導師だから。
すると、そのとき。
「学院長先生〜」
「こんにちは〜」
女子生徒が二人、学院長室に入ってきた。
一時間後には、現世に戻ってきた。
生きてたのかお前。良かったな。
しかし。
「うぐっ…ふぇぇ…うぇぇん…」
イレースの渾身の一撃が、あまりに痛かったらしく。
未だにめそめそ泣いていた。
良い歳したおっさんが泣くな。
と、言いたいところだが。
あのイレースにあれだけ叱られて、泣かない人がいるのなら見てみたい。
俺でも泣くわ。あんなの。
おまけに。
「イーニシュフェルト魔導学院の学院長ともあろう者が、あんな狡賢い手口を使ってまで菓子に手を出すなんて…」
説教が終わっても、まだグチグチ言われてる。
説教、絶賛続行中。
「あちこち連絡を取って確認して、あんな惨めな思いになったのは初めてですよ。恥ずかしいったらありゃしない。何考えてるんですかこの馬鹿」
馬鹿呼ばわり。
「大体、あんなお粗末な偽造ごときで、この私の目を誤魔化せると思っていたことに猛烈な怒りを覚えます」
一度怒りを爆発させた後なので、少しは大人しいが。
大人しい(当社比)。
「ラミッドフルス時代と合わせて、私が一体何年、学院の経理に携わってると思ってるんです?馬鹿にしてるんですかこの馬鹿」
またしても馬鹿呼ばわり。
していると。
学院長室の窓が開き。
「修羅場終わった?」
窓枠に足をかけた令月が、戻ってきた。
窓から戻ってくるな。ちゃんと扉から入ってこい。
「残念ながら、修羅場進行中だ」
「じゃあ帰った方が良い?」
「いや、一応一番の修羅場は終わった」
「そうなんだ。じゃ、戻ろっか」
令月は、しゅたっ、と窓から入ってきた。
お帰り。
いつもならこんな姿を見たら、窓から入ってくるなんて、とぶつぶつ言うはずのイレースだが。
そんなことはどうでも良いとばかりに、チクチクとシルナを責めていた。
「性懲りもなく、あんなところからあんな大量の菓子を注文して。馬鹿なんですか?あなた、自分が魔導学院の経営者だって分かってるんですか?菓子屋の店長じゃないんですよ」
「ふぁい…」
シルナ、涙目。
「そうだというのに、一度ならぬ二度までも、こんな愚かな行為を繰り返し。あまつさえ、私の目を掻い潜ってこんな卑怯なことを…。教師のやることですか?それが。あなた本当に教師ですか」
精神的に責めてくる感じ。
心に来るなぁ…。
これでも教師なんだよ。
「教師として、誠に不甲斐ない。そこの読心教師じゃあるまいに、イーニシュフェルトの非常識教師は、あの読心教師一人で充分です」
「…なんか僕までとばっちり受けてません?僕ほど常識的な教師はいないはずなんですけどねぇ」
なんか言ってるぞ。イーニシュフェルトが誇る非常識教師が。
「しかもそれが学院長、おまけにルーデュニア聖王国最高峰の魔導学院の学院長だって言うんだから、世も末です。全く恥ずかしいのと情けないのと…」
「…」
「…やっぱり老人ホーム行きますか?」
パンフレットをバシッ、と叩くイレース。
「…行きたくないです…」
めそめそと答えるシルナ。
そうだな。
年齢的にはとっくに行っててもおかしくないが、一応これでも、ルーデュニアではトップクラスの魔導師だから。
すると、そのとき。
「学院長先生〜」
「こんにちは〜」
女子生徒が二人、学院長室に入ってきた。


