すぐりさんと一緒に、懐かしの園芸部を訪ねたとき。
ツキナさんは、一人で野菜に水をやっている最中だった。
園芸少女だ。
「こんにちは、ツキナさん」
「ふぁいっ!こんにち…は?」
後ろから声をかけると、ツキナさんはじょうろを手にしたまま、くるりと振り向き。
その姿勢のまま、固まって動かなくなった。
じょうろが傾いて、じょぼじょぼ水が溢れてるけど、全く気づいてない様子。
畑に水溜り出来てますけど、大丈夫ですかね。
「お久し振りですね、ツキナさん。元気でした?」
更に声をかけてみても、ツキナさんは微動だにせず、固まったまま。
…うん。
僕のこと、忘れてしまった訳じゃないよな?
一応心を覗いてみると。
無だった。
彼女は今、何も、何一つ考えていない。
無我の境地に至っている。
なかなかいないよ、そんな人。
「えーっと…。大丈夫ですか?」
「な…ナジュ、先生、ですか?」
あ、口利いた。
「はい、ナジュです。ご無沙汰ですね」
「もっ…戻ってきて、くれたんですか?元気にっ…」
「はい。元気になったので戻ってきました」
本当は、ずっと元気ではあったんだけどね。
僕、病気療養ってことになってたらしい。
それはまぁ仕方ない。読心魔法の暴走で意識飛んで、ついでに記憶も飛んでました、とも言えず。
病気だったってことにしておこう。
「う、う…うわぁぁぁぁん!!」
ツキナさんは、目にぶわっ、と涙を浮かべ。
じょうろを投げ飛ばして、こちらに駆け寄ってきた。
投げ飛んだじょうろから溢れた水が、すぐりさんの全身に降り掛かっていた。
コントですか?
しかしツキナさんは、部員仲間にじょうろの水ぶち撒けたことにも気づかず。
ゴム手袋をつけたまま、僕にしがみついてきた。
「な、ナジュ先生!私、きゅうり!きゅうりでした!」
そして、この謎発言。
衝撃の新事実、ツキナ・クロストレイはきゅうりだった。
「きゅうり頑張って!育てて!とうっ…とうもろこしも!ナジュ先生、食べようと思ってとうもろこしを!」
言いたいことは何となく分かるが。
それだと、僕がとうもろこしに食べられるみたいになってる。
あと、すぐりさん。
肩から水をポタポタ流しながら、僕を睨むのやめてくれませんか。
そりゃ、好きな女の子が別の男にハグしてたら、男としては面白くないでしょうけど。
心配しなくても、僕はツキナさんのこと、ただの生徒であって、恋愛対象ではないので。
僕の恋愛対象は、あくまでリリス一人だけなので。
はい。
「ナジュ先生と、とうもろこしが、食べられるんです〜っ!!」
「はいはい…。僕は食べられたくないですけどね…」
「うぇぇぇぇん戻ってきてくれて良かったぁぁぁ!」
感動的と呼ぶには、あまりにコント寄りな再会で。
おまけにすぐりさん、とばっちりでびしょ濡れだけど。
喜んでくれていることだけは、充分伝わってきた。
ツキナさんは、一人で野菜に水をやっている最中だった。
園芸少女だ。
「こんにちは、ツキナさん」
「ふぁいっ!こんにち…は?」
後ろから声をかけると、ツキナさんはじょうろを手にしたまま、くるりと振り向き。
その姿勢のまま、固まって動かなくなった。
じょうろが傾いて、じょぼじょぼ水が溢れてるけど、全く気づいてない様子。
畑に水溜り出来てますけど、大丈夫ですかね。
「お久し振りですね、ツキナさん。元気でした?」
更に声をかけてみても、ツキナさんは微動だにせず、固まったまま。
…うん。
僕のこと、忘れてしまった訳じゃないよな?
一応心を覗いてみると。
無だった。
彼女は今、何も、何一つ考えていない。
無我の境地に至っている。
なかなかいないよ、そんな人。
「えーっと…。大丈夫ですか?」
「な…ナジュ、先生、ですか?」
あ、口利いた。
「はい、ナジュです。ご無沙汰ですね」
「もっ…戻ってきて、くれたんですか?元気にっ…」
「はい。元気になったので戻ってきました」
本当は、ずっと元気ではあったんだけどね。
僕、病気療養ってことになってたらしい。
それはまぁ仕方ない。読心魔法の暴走で意識飛んで、ついでに記憶も飛んでました、とも言えず。
病気だったってことにしておこう。
「う、う…うわぁぁぁぁん!!」
ツキナさんは、目にぶわっ、と涙を浮かべ。
じょうろを投げ飛ばして、こちらに駆け寄ってきた。
投げ飛んだじょうろから溢れた水が、すぐりさんの全身に降り掛かっていた。
コントですか?
しかしツキナさんは、部員仲間にじょうろの水ぶち撒けたことにも気づかず。
ゴム手袋をつけたまま、僕にしがみついてきた。
「な、ナジュ先生!私、きゅうり!きゅうりでした!」
そして、この謎発言。
衝撃の新事実、ツキナ・クロストレイはきゅうりだった。
「きゅうり頑張って!育てて!とうっ…とうもろこしも!ナジュ先生、食べようと思ってとうもろこしを!」
言いたいことは何となく分かるが。
それだと、僕がとうもろこしに食べられるみたいになってる。
あと、すぐりさん。
肩から水をポタポタ流しながら、僕を睨むのやめてくれませんか。
そりゃ、好きな女の子が別の男にハグしてたら、男としては面白くないでしょうけど。
心配しなくても、僕はツキナさんのこと、ただの生徒であって、恋愛対象ではないので。
僕の恋愛対象は、あくまでリリス一人だけなので。
はい。
「ナジュ先生と、とうもろこしが、食べられるんです〜っ!!」
「はいはい…。僕は食べられたくないですけどね…」
「うぇぇぇぇん戻ってきてくれて良かったぁぁぁ!」
感動的と呼ぶには、あまりにコント寄りな再会で。
おまけにすぐりさん、とばっちりでびしょ濡れだけど。
喜んでくれていることだけは、充分伝わってきた。


