「…みたいな経緯で、君読心魔法暴走せて、倒れちゃったらしいんだけど」
「…」
「…何か思い出した?」
『アメノミコト』と令月、すぐりを巡る一件。
更に、そのすぐりに読心魔法の弱点を見破られ。
それを克服する為に、すぐりに協力してもらって読心魔法の特訓に努め。
そのせいで倒れ、記憶がぶっ飛んだんだよ、と。
すぐりは、ありのままを語った。
しかし。
「…」
…駄目みたいだな。
相変わらず、ナジュの記憶が揺さぶられることはないらしい。
鉄壁のガードだ。
「これでも駄目なの〜?お手上げだよもう」
「済みません…」
「いやいや、ナジュ君が悪い訳じゃないから」
思い出せないものは仕方ない。さっきから何度も言ってるが。
「…でも」
「…でも?」
「何だか皆さんの話を聞いてると、僕、相当この場所を気に入ってたみたいですね」
…何?
「僕がそこまで皆さんの為に強くなろう、頑張ろうなんて努力して…。よっぽど僕、ここが気に入ってたんですね」
「…」
気に入って…。
…気に入って、くれてたのか?
そうなのか?記憶をなくす前のナジュ。
「僕元々、努力するとか苦手なんですよ」
「あぁ…。お前はそういうところあるよな」
最初に出会ったときから、基本人に対して舐めプするタイプだったもんな。
まぁ、不死身故だからだろうが。
「それなのに、そんなに…倒れるまで無理して、努力して…。本当に僕、皆さんの役に立ちたくて仕方なかったんでしょうね」
「…」
…その、気持ちは嬉しかったんだがな。
そのせいで倒れて、記憶喪失になってたんじゃ、本末転倒だよな。
努力するのは良いけど、加減はしてくれよ。
「でも、そんなに僕が必死になってたのも、何だか分かる気がします」
「…そうか?」
「えぇ。皆さん優しいですから」
「…」
「こんなに優しくしてくれる人、リリス以外にいませんでした。だからでしょうね、僕がそんなに…倒れるまで頑張って、努力したのは」
…それは。
「僕、リリスを失ってから、ずっと一人だったんですよね。誰の仲間になることもなく…。あ、でも『カタストロフィ』って組織にいたんですよね」
「厳密には、お互い利用してるだけで、お前は『カタストロフィ』のメンバーじゃなかったらしいぞ」
自分でそう言ってたし、ヴァルシーナもそのつもりで、あっさりナジュを切り捨ててたし。
「そうなんですか。じゃああなた達は、リリスを失ってから初めて、僕を受け入れてくれた人なんですね」
「そう…なるか?」
…なるか。
ずっと一人で…放浪の旅をしてたんだろう?『カタストロフィ』に入る前は…。
死に場所を求めて、一人で…。
「だからきっと、こんなに温かく感じるんですね。精神世界でここの夢を見て、ここに帰ってきたいと思ったのも…」
「…」
「僕にとってここが、自分の居場所だと思ってたんだ。だからずっと…あなた達に、会いたかった気がしてる」
「…それは、こっちの台詞だ」
何日寝てたと思ってんだ?お前は。
「それだけに…あなた達が、こんなに必死に僕に尽くしてくれてるのに…。応えられないのが、悔しいです」
「ナジュ…」
「思い出せないのが、堪らなく悔しいです。思い出したい。あなた達とどんな日々を過ごしたのか、ここで僕は、どんな風に生きてたのか。思い出したくて堪らないのに…」
…思い出したいのに、思い出せないの、か。
それは…確かに、辛いだろうな。
「…無理しなくて良いよ、ナジュ君」
シルナが。
珍しく、良いことを言った。
「…」
「…何か思い出した?」
『アメノミコト』と令月、すぐりを巡る一件。
更に、そのすぐりに読心魔法の弱点を見破られ。
それを克服する為に、すぐりに協力してもらって読心魔法の特訓に努め。
そのせいで倒れ、記憶がぶっ飛んだんだよ、と。
すぐりは、ありのままを語った。
しかし。
「…」
…駄目みたいだな。
相変わらず、ナジュの記憶が揺さぶられることはないらしい。
鉄壁のガードだ。
「これでも駄目なの〜?お手上げだよもう」
「済みません…」
「いやいや、ナジュ君が悪い訳じゃないから」
思い出せないものは仕方ない。さっきから何度も言ってるが。
「…でも」
「…でも?」
「何だか皆さんの話を聞いてると、僕、相当この場所を気に入ってたみたいですね」
…何?
「僕がそこまで皆さんの為に強くなろう、頑張ろうなんて努力して…。よっぽど僕、ここが気に入ってたんですね」
「…」
気に入って…。
…気に入って、くれてたのか?
そうなのか?記憶をなくす前のナジュ。
「僕元々、努力するとか苦手なんですよ」
「あぁ…。お前はそういうところあるよな」
最初に出会ったときから、基本人に対して舐めプするタイプだったもんな。
まぁ、不死身故だからだろうが。
「それなのに、そんなに…倒れるまで無理して、努力して…。本当に僕、皆さんの役に立ちたくて仕方なかったんでしょうね」
「…」
…その、気持ちは嬉しかったんだがな。
そのせいで倒れて、記憶喪失になってたんじゃ、本末転倒だよな。
努力するのは良いけど、加減はしてくれよ。
「でも、そんなに僕が必死になってたのも、何だか分かる気がします」
「…そうか?」
「えぇ。皆さん優しいですから」
「…」
「こんなに優しくしてくれる人、リリス以外にいませんでした。だからでしょうね、僕がそんなに…倒れるまで頑張って、努力したのは」
…それは。
「僕、リリスを失ってから、ずっと一人だったんですよね。誰の仲間になることもなく…。あ、でも『カタストロフィ』って組織にいたんですよね」
「厳密には、お互い利用してるだけで、お前は『カタストロフィ』のメンバーじゃなかったらしいぞ」
自分でそう言ってたし、ヴァルシーナもそのつもりで、あっさりナジュを切り捨ててたし。
「そうなんですか。じゃああなた達は、リリスを失ってから初めて、僕を受け入れてくれた人なんですね」
「そう…なるか?」
…なるか。
ずっと一人で…放浪の旅をしてたんだろう?『カタストロフィ』に入る前は…。
死に場所を求めて、一人で…。
「だからきっと、こんなに温かく感じるんですね。精神世界でここの夢を見て、ここに帰ってきたいと思ったのも…」
「…」
「僕にとってここが、自分の居場所だと思ってたんだ。だからずっと…あなた達に、会いたかった気がしてる」
「…それは、こっちの台詞だ」
何日寝てたと思ってんだ?お前は。
「それだけに…あなた達が、こんなに必死に僕に尽くしてくれてるのに…。応えられないのが、悔しいです」
「ナジュ…」
「思い出せないのが、堪らなく悔しいです。思い出したい。あなた達とどんな日々を過ごしたのか、ここで僕は、どんな風に生きてたのか。思い出したくて堪らないのに…」
…思い出したいのに、思い出せないの、か。
それは…確かに、辛いだろうな。
「…無理しなくて良いよ、ナジュ君」
シルナが。
珍しく、良いことを言った。


