「…それで?俺達のことは話さないつもり?」
「それは…」
「まー『八千代』の件はどうでも良いけどさー、俺の話はした方が良いんじゃない?ナジュせんせーが今の状態になったのは、俺に原因の一端がある訳で」
「…!」
ナジュが、ハッとしてすぐりを見た。
「あなた…も、僕のこと知ってるんですか?」
「まぁね〜。何なら君より俺の方が、君のことよく知ってると言っても過言ではない」
嘘つけ。過言だそれは。
とはいえ。
すぐりが、ナジュの記憶喪失の件に関わっているのは、紛れもない事実。
すぐりだけではない。
すぐりの話をする為には、先に令月の話をしなければならない。
ナジュがイーニシュフェルト魔導学院に来てから起きた、大きな事件。
『アメノミコト』…そして、令月を巡るあの一件について。
そこから順を追って話さなければ。
「…あんまり気持ちの良い話じゃないから、気が進まないんだけどね」
「さっきまでの話も、充分シリアス展開だったけどね」
そうだけど。
さっきまでの話は、登場人物は皆大人だ。
しかし、令月とすぐりは子供だ。
本人達は、全く自覚していないようだが。
その歳で、生きるか死ぬかの話を、平気な顔してするもんじゃない。
とはいえ、その話をしなければ、ナジュの記憶が取り戻せないのなら…。
…仕方ない、か。
ナジュも事件に巻き込まれた、当事者の一人だったんだもんな。
記憶を取り戻すのに、避けては通れまい。
特に、読心魔法暴走の原因に繋がった、すぐりの事件については。
分かったよ。
話せば良いんだろ、話せば。
…が、その前に。
「…分かった。令月の件から話し始めるから、お前らは帰れ」
「え、何で?」
何でじゃねぇ。
「子供のする話じゃない。大体、子供はもう寝る時間だ」
夜間外出禁止って、何回言ったら分かるんだ?こいつらは。
それともこの二人、シルナヤママユガと同じで、夜行性か?
しかし。
「子供の話じゃない。僕の話だよ」
「…」
「僕の話を、僕の口から話さないで、何が伝わるの?」
…真顔で、正論言いやがる。
「あのなぁ、令月…」
「大人だ子供だって、それは大人の理論であって、子供にも子供の理論があるんだけどね〜。そこを理解しないのが大人だよねー」
悪かったな。
子供だって、大人の理論を理解しないだろうが。
「確かに僕らは子供だけど。でも、自分の身に何が起きたのかくらい、自分で分かってる。自分の口から話せる」
「…」
「こういう言い方はしたくないけど…。僕らが歩んできた人生に、他人が口を挟まないで」
…相変わらず。
二人共、子供らしからぬ…肝の座った目をしていた。
…あぁ、そうかい。
全く、子供らしくなくて…可愛くない奴らだよ。
「…シルナ」
「うーん…。仕方ないねぇ」
シルナも、苦い顔で頷いた。
駄目だ帰れ、って言っても聞かないだろうし。
監視つけてても潜り抜けるし。
何なら、縛り付けてても脱走しそうな勢いだし。
…そして何より、令月の言う通り。
令月の話は、令月のものだ。
すぐりの話もまた、すぐりのもの。
俺達他人が…口を挟んで良いことじゃない。
「じゃ、僕から始めるね」
令月は、自らの過去について話し始めた。
「それは…」
「まー『八千代』の件はどうでも良いけどさー、俺の話はした方が良いんじゃない?ナジュせんせーが今の状態になったのは、俺に原因の一端がある訳で」
「…!」
ナジュが、ハッとしてすぐりを見た。
「あなた…も、僕のこと知ってるんですか?」
「まぁね〜。何なら君より俺の方が、君のことよく知ってると言っても過言ではない」
嘘つけ。過言だそれは。
とはいえ。
すぐりが、ナジュの記憶喪失の件に関わっているのは、紛れもない事実。
すぐりだけではない。
すぐりの話をする為には、先に令月の話をしなければならない。
ナジュがイーニシュフェルト魔導学院に来てから起きた、大きな事件。
『アメノミコト』…そして、令月を巡るあの一件について。
そこから順を追って話さなければ。
「…あんまり気持ちの良い話じゃないから、気が進まないんだけどね」
「さっきまでの話も、充分シリアス展開だったけどね」
そうだけど。
さっきまでの話は、登場人物は皆大人だ。
しかし、令月とすぐりは子供だ。
本人達は、全く自覚していないようだが。
その歳で、生きるか死ぬかの話を、平気な顔してするもんじゃない。
とはいえ、その話をしなければ、ナジュの記憶が取り戻せないのなら…。
…仕方ない、か。
ナジュも事件に巻き込まれた、当事者の一人だったんだもんな。
記憶を取り戻すのに、避けては通れまい。
特に、読心魔法暴走の原因に繋がった、すぐりの事件については。
分かったよ。
話せば良いんだろ、話せば。
…が、その前に。
「…分かった。令月の件から話し始めるから、お前らは帰れ」
「え、何で?」
何でじゃねぇ。
「子供のする話じゃない。大体、子供はもう寝る時間だ」
夜間外出禁止って、何回言ったら分かるんだ?こいつらは。
それともこの二人、シルナヤママユガと同じで、夜行性か?
しかし。
「子供の話じゃない。僕の話だよ」
「…」
「僕の話を、僕の口から話さないで、何が伝わるの?」
…真顔で、正論言いやがる。
「あのなぁ、令月…」
「大人だ子供だって、それは大人の理論であって、子供にも子供の理論があるんだけどね〜。そこを理解しないのが大人だよねー」
悪かったな。
子供だって、大人の理論を理解しないだろうが。
「確かに僕らは子供だけど。でも、自分の身に何が起きたのかくらい、自分で分かってる。自分の口から話せる」
「…」
「こういう言い方はしたくないけど…。僕らが歩んできた人生に、他人が口を挟まないで」
…相変わらず。
二人共、子供らしからぬ…肝の座った目をしていた。
…あぁ、そうかい。
全く、子供らしくなくて…可愛くない奴らだよ。
「…シルナ」
「うーん…。仕方ないねぇ」
シルナも、苦い顔で頷いた。
駄目だ帰れ、って言っても聞かないだろうし。
監視つけてても潜り抜けるし。
何なら、縛り付けてても脱走しそうな勢いだし。
…そして何より、令月の言う通り。
令月の話は、令月のものだ。
すぐりの話もまた、すぐりのもの。
俺達他人が…口を挟んで良いことじゃない。
「じゃ、僕から始めるね」
令月は、自らの過去について話し始めた。


