数日後。
ナジュの体力が回復してきた頃。
ナジュの記憶取り戻し作戦が始まった。
まずトップバッターは、イレースである。
まだ長時間歩けないナジュを車椅子に乗せ、校内中を案内した。
生徒と鉢合わせしたら困るので、あくまで夜、生徒が学生寮に帰ってから、だが。
ナジュの帰還を生徒に報告するのは、あくまでナジュが記憶を取り戻してからだ。
「…えっと」
「さぁ、ちゃっちゃと校内を案内しますよ。元職場を見て回れば、何か思い出すこともあるでしょう」
相変わらず、有無を言わせないイレースである。
「あ、ちなみに私の名前はイレース。イレース・クローリアです。こちらは羽久・グラスフィア。いずれもあなたの同僚です」
俺はイレースの補助として、校内散策に同行することになっている。
宜しく。
あわよくば、一緒にいれば、俺のことも思い出してくれないかなって。
「同僚…」
「そう。ここはイーニシュフェルト魔導学院で、私と、ここにいる羽久さんはこの学院の教師です」
「…ってことは、僕も教師だったんですか?」
「そうですよ」
「…」
めちゃくちゃ意外そうな顔をしていらっしゃる。
「まさか自分が教師をやっていたとは思いませんでしたか?」
「はい…」
「大丈夫です。私も最初に会ったとき、まさかあなたが教師になるとは思ってませんでしたから」
おい。
酷い言い様だな。
「全く、あなたは酷い教師でしたよ」
更に、イレースの毒舌が爆発する。
「初めは生徒として入学してきたかと思えば、散々学院内と、私の完璧な授業計画の邪魔をし、挙げ句平気な顔をして帰ってきて、今度は教師になるんで宜しく〜、って言って入ってきたんですから」
い、いやそれはまぁ。
そうなんだけど。
言い方、言い方ってものがな?イレース。言い方。
「おまけに教師になってからというもの、その無駄に端正な顔立ちと、忌々しい読心魔法を利用して生徒達を惑わせ、学院内の風紀を乱す、それはそれはもうろくでもない教師でした」
「…そうだったんですね…」
おい、やめろ。
むしろ思い出したくない方向に持っていってないか?
「それであなた、読心魔法は使えるんですか?それは覚えてるんですか」
「あ、はい…一応…」
「なら、私が嘘をついている訳じゃないことはお分かりですね」
…使える魔法は、変わってないってことか。
例の…複数人同時読心ってのも可能なのかは、知らないが…。
ひとまずは、学院内を見て回ることにしよう。
「で、何処まで話しましたっけ」
「僕がろくでもない教師だったってところまで…」
「あぁそうでした。えぇ、ろくでもない教師でしたよあなたは」
やめろって。可哀想に。
目を覚ました途端、覚えてない人から、「お前ろくでもない奴だったよ」と言われるなんて。
ショックだろ。
しかし。
「それでも、私や他の教師や生徒達にとっては、必要な存在なんです。だから、早いところ記憶を取り戻してもらわないと困ります」
「…」
「無駄に人気者の教師でしたからね、あなたは。生徒達も、あなたが戻ってくるのを今か今かと待ってるんですよ」
…その通りだ。
生徒達も、俺達もな。
ナジュの体力が回復してきた頃。
ナジュの記憶取り戻し作戦が始まった。
まずトップバッターは、イレースである。
まだ長時間歩けないナジュを車椅子に乗せ、校内中を案内した。
生徒と鉢合わせしたら困るので、あくまで夜、生徒が学生寮に帰ってから、だが。
ナジュの帰還を生徒に報告するのは、あくまでナジュが記憶を取り戻してからだ。
「…えっと」
「さぁ、ちゃっちゃと校内を案内しますよ。元職場を見て回れば、何か思い出すこともあるでしょう」
相変わらず、有無を言わせないイレースである。
「あ、ちなみに私の名前はイレース。イレース・クローリアです。こちらは羽久・グラスフィア。いずれもあなたの同僚です」
俺はイレースの補助として、校内散策に同行することになっている。
宜しく。
あわよくば、一緒にいれば、俺のことも思い出してくれないかなって。
「同僚…」
「そう。ここはイーニシュフェルト魔導学院で、私と、ここにいる羽久さんはこの学院の教師です」
「…ってことは、僕も教師だったんですか?」
「そうですよ」
「…」
めちゃくちゃ意外そうな顔をしていらっしゃる。
「まさか自分が教師をやっていたとは思いませんでしたか?」
「はい…」
「大丈夫です。私も最初に会ったとき、まさかあなたが教師になるとは思ってませんでしたから」
おい。
酷い言い様だな。
「全く、あなたは酷い教師でしたよ」
更に、イレースの毒舌が爆発する。
「初めは生徒として入学してきたかと思えば、散々学院内と、私の完璧な授業計画の邪魔をし、挙げ句平気な顔をして帰ってきて、今度は教師になるんで宜しく〜、って言って入ってきたんですから」
い、いやそれはまぁ。
そうなんだけど。
言い方、言い方ってものがな?イレース。言い方。
「おまけに教師になってからというもの、その無駄に端正な顔立ちと、忌々しい読心魔法を利用して生徒達を惑わせ、学院内の風紀を乱す、それはそれはもうろくでもない教師でした」
「…そうだったんですね…」
おい、やめろ。
むしろ思い出したくない方向に持っていってないか?
「それであなた、読心魔法は使えるんですか?それは覚えてるんですか」
「あ、はい…一応…」
「なら、私が嘘をついている訳じゃないことはお分かりですね」
…使える魔法は、変わってないってことか。
例の…複数人同時読心ってのも可能なのかは、知らないが…。
ひとまずは、学院内を見て回ることにしよう。
「で、何処まで話しましたっけ」
「僕がろくでもない教師だったってところまで…」
「あぁそうでした。えぇ、ろくでもない教師でしたよあなたは」
やめろって。可哀想に。
目を覚ました途端、覚えてない人から、「お前ろくでもない奴だったよ」と言われるなんて。
ショックだろ。
しかし。
「それでも、私や他の教師や生徒達にとっては、必要な存在なんです。だから、早いところ記憶を取り戻してもらわないと困ります」
「…」
「無駄に人気者の教師でしたからね、あなたは。生徒達も、あなたが戻ってくるのを今か今かと待ってるんですよ」
…その通りだ。
生徒達も、俺達もな。


