神殺しのクロノスタシス3

目を開け、身体を起こしたナジュの姿を。
 
しばし、全員が黙って見つめていた。

これが夢ではなく、現実だと認識する為に。

…夢じゃない。

本当に、夢じゃないのだ。

ようやくナジュが、目を覚ましたのだ。

「ナジュ君…良かった…」

シルナが、目に涙を溜めながら呟いた。
 
それは感動の涙か、それともイレースの全力腹パンの痛みか。

どちらでも良い。

皆同じ気持ちだった。
 
良かった。

目を覚ましてくれて、本当に良かった。

神様って奴が本当にいるなら、今日ばかりは…。

…。

…神様は、俺の中にいるんだっけ。

あぁ、もうそんなことはどうでも良い。

とにかく、ナジュが目を覚ましたのだ。

それ以上、大事なことなんて何もない。

「ふっ…く…」

ナジュは、細い腕で自分の喉を押さえて、何度か咳払いした。

何か言いたいのだろうが、上手く言葉に出来ないのだ。

「無理して喋らないでください。伝えたいことがあるなら、紙を…」

「…た、たち、は…」

ナジュは、掠れた声で何かを呟いた。

喋んなって天音もクュルナも言ってるのに。

つくづく人の言うことを聞かない。

だが、今回ばかりは許してやろう。

だって。

ナジュが目を覚ましたこと以上に、大事なことなんて、

「…なた…たち、は」