「…よく来てくれたね、二人共」
「いえ…」
シルナは、二人の来客の前にティーカップを置きながら言った。
「シュニィちゃんも。大丈夫?こんな時間に。アトラス君心配してるよ」
「大丈夫です…。子供達もあの人に任せてきましたから」
それはそれは。
シュニィから子供達の世話を頼まれたとなれば、あの男のこと。
それはもう過保護なまでに、ちゃんと面倒見てることだろう。
「…それに」
シュニィは、暗い顔で言った。
「この非常時に…私達も無視している訳にはいきませんから」
「…」
非常時…ね。
「…シュニィちゃん。ナジュ君は聖魔騎士団の人間じゃない。あくまでこれは、イーニシュフェルト魔導学院の…」
「水臭いことを言わないでください、学院長先生」
シルナの言葉を遮るように、シュニィが言った。
確かに、これは…ナジュの問題は、聖魔騎士団には関係ない。
ナジュは、イーニシュフェルト魔導学院の教師であって、聖魔騎士団の人間ではないからだ。
しかし…。
「聖魔騎士団に問題が起きたときも、学院長先生達はいつも協力してくださってるじゃありませんか。たまにはこちらもお手伝いさせてくださいよ」
「シュニィちゃん…」
「ナジュさんとは、『アメノミコト』襲撃の際にも共闘した仲。私達にとっては、仲間も同然です」
…シュニィは、それで良いかもしれないが。
「…クュルナは、良いのか?」
俺は、クュルナにそう尋ねた。
「え?」
「ナジュは、『禁忌の黒魔導書』の封印を解いた張本人だ。クュルナは…」
クュルナにとっては…因縁浅からぬ間柄、ではないが…。
別にナジュなんて、どうなったって構わないと思っていてもおかしくない。
おまけに、『カタストロフィ』の一件では、ナジュと直接戦った身だ。
そんな相手を、助けたいと思うだろうか?
しかし。
「過去のことです。それに…禁書に手を染めたのは、他でもないこの私。彼は関係ありません」
クュルナは、きっぱりそう言ってみせた。
その目に、迷いはなかった。
「それよりも、大恩あるあなた方に、少しでも恩返しすることの方が、私にとっては遥かに大切です」
「…そうか。ありがとう」
だってさ、ナジュ。
良かったな。お前のことを助けようとしてる人は、こんなに多いんだぞ。
「…正直、聖魔騎士団に手伝ってもらえると、私達としては助かるかな」
シルナは、強がることなく言った。
それだけ、俺達の手には負えない事態になっているということだ。
…まぁ、そうだよな。
現状俺達に出来るのは、ナジュが目を覚ますよう、祈ることだけなんだから。
「…分かりました。では、単刀直入に言います」
シュニィは、ビジネスモードの顔になって、こう言った。
「ナジュさんの為に、聖魔騎士団の方で特別に医療チームを結成して、学院に派遣しようと思っています」
「…!?」
これには、俺もシルナも、驚きを隠せなかった。
…何だと?
「回復魔法専門の魔導師は勿論、各種特殊な魔法の使い手を混成したチームを結成し、様々なアプローチを試してみようと思っています。何せ前例のないことなので、試せることは何でも試した方が良いと…」
「ちょ、ちょっと待ってシュニィちゃん」
さくさく話を進めようとするシュニィを、慌ててシルナが止めた。
シルナが止めてなかったら、俺が止めていたことだろう。
「いえ…」
シルナは、二人の来客の前にティーカップを置きながら言った。
「シュニィちゃんも。大丈夫?こんな時間に。アトラス君心配してるよ」
「大丈夫です…。子供達もあの人に任せてきましたから」
それはそれは。
シュニィから子供達の世話を頼まれたとなれば、あの男のこと。
それはもう過保護なまでに、ちゃんと面倒見てることだろう。
「…それに」
シュニィは、暗い顔で言った。
「この非常時に…私達も無視している訳にはいきませんから」
「…」
非常時…ね。
「…シュニィちゃん。ナジュ君は聖魔騎士団の人間じゃない。あくまでこれは、イーニシュフェルト魔導学院の…」
「水臭いことを言わないでください、学院長先生」
シルナの言葉を遮るように、シュニィが言った。
確かに、これは…ナジュの問題は、聖魔騎士団には関係ない。
ナジュは、イーニシュフェルト魔導学院の教師であって、聖魔騎士団の人間ではないからだ。
しかし…。
「聖魔騎士団に問題が起きたときも、学院長先生達はいつも協力してくださってるじゃありませんか。たまにはこちらもお手伝いさせてくださいよ」
「シュニィちゃん…」
「ナジュさんとは、『アメノミコト』襲撃の際にも共闘した仲。私達にとっては、仲間も同然です」
…シュニィは、それで良いかもしれないが。
「…クュルナは、良いのか?」
俺は、クュルナにそう尋ねた。
「え?」
「ナジュは、『禁忌の黒魔導書』の封印を解いた張本人だ。クュルナは…」
クュルナにとっては…因縁浅からぬ間柄、ではないが…。
別にナジュなんて、どうなったって構わないと思っていてもおかしくない。
おまけに、『カタストロフィ』の一件では、ナジュと直接戦った身だ。
そんな相手を、助けたいと思うだろうか?
しかし。
「過去のことです。それに…禁書に手を染めたのは、他でもないこの私。彼は関係ありません」
クュルナは、きっぱりそう言ってみせた。
その目に、迷いはなかった。
「それよりも、大恩あるあなた方に、少しでも恩返しすることの方が、私にとっては遥かに大切です」
「…そうか。ありがとう」
だってさ、ナジュ。
良かったな。お前のことを助けようとしてる人は、こんなに多いんだぞ。
「…正直、聖魔騎士団に手伝ってもらえると、私達としては助かるかな」
シルナは、強がることなく言った。
それだけ、俺達の手には負えない事態になっているということだ。
…まぁ、そうだよな。
現状俺達に出来るのは、ナジュが目を覚ますよう、祈ることだけなんだから。
「…分かりました。では、単刀直入に言います」
シュニィは、ビジネスモードの顔になって、こう言った。
「ナジュさんの為に、聖魔騎士団の方で特別に医療チームを結成して、学院に派遣しようと思っています」
「…!?」
これには、俺もシルナも、驚きを隠せなかった。
…何だと?
「回復魔法専門の魔導師は勿論、各種特殊な魔法の使い手を混成したチームを結成し、様々なアプローチを試してみようと思っています。何せ前例のないことなので、試せることは何でも試した方が良いと…」
「ちょ、ちょっと待ってシュニィちゃん」
さくさく話を進めようとするシュニィを、慌ててシルナが止めた。
シルナが止めてなかったら、俺が止めていたことだろう。


