…ナジュを見舞った後。
俺とシルナが、学院長室に戻ろうとすると。
「…ん?」
学院長室の前で、男子生徒が二人ほど、うろうろしていた。
「あれ、君達どうしたの?私に何か用だった?」
「あ、学院長先生…。グラスフィア先生
も」
しまったな。
俺達に何か用事があって、訪ねてきてたのか。
それは済まないことをした。
「ごめんね、待たせちゃって。どうかしたの?」
「あの、これ…。ナジュ先生に…」
二人は、大きな青い花束を差し出した。
何処からこんな花束を、と思ってよく見てみると。
その花束は、本物の花ではなく、紙で出来ていた。
青い折り紙で折った、薔薇の花束。
「これは…?」
「あの、俺達、風魔法サークルのメンバーで」
そう言われて、思い出した。
そうだ、この生徒、二人共風魔法サークルのメンバーだ。
「ナジュ先生、倒れる少し前の何週間か、サークルに通ってくれて…。俺達に色々教えてくれて…」
「…」
「それなのに、今、その…こんなことになって、せめて俺達に出来ることはないかって、サークルの皆で話し合って…」
「千羽鶴折って渡してもらおうと思って。でも、折角だから鶴じゃなくて、学院のエンブレムにしようって話になって…」
二人は、交互にそう説明してくれた。
そうだな。俺とシルナとイレースで、決めたもんな。
学院のエンブレム、青い薔薇にしようって。
「新聞部の三人組に頼んで、校内広報に載せてもらったんです。ナジュ先生の為に、皆で薔薇を折ろうって。…快く記事にしてくれました」
…あの新聞部三人組、そんなことを。
「すぐに千羽…じゃなくて、千輪、集まりました。ちょっと…オーバーしちゃってますけど」
「…」
「だから、これ…学院長先生の方から、ナジュ先生に渡してもらえませんか?俺達は行けないから…」
…一応。
生徒達には、ナジュが学院の医務室にいることを伝えていない。
国内の病院に入院しており、面会謝絶状態だと伝えてある。
生徒達を騙すのは本意ではないが、ナジュが医務室にいると知れば、生徒達は余計に心配し、医務室に殺到するだろうし。
特に、ナジュが倒れた本当の理由を、生徒達に伝える訳にはいかない。
だから、生徒達の中で、本当のことを知っているのは、令月とすぐりの二人だけだ。
故に。
生徒達はこうして、せめてもの励ましになればと…。
不安そうな顔で、紙の花束を差し出す生徒に、俺は胸が苦しくなった。
俺とシルナが、学院長室に戻ろうとすると。
「…ん?」
学院長室の前で、男子生徒が二人ほど、うろうろしていた。
「あれ、君達どうしたの?私に何か用だった?」
「あ、学院長先生…。グラスフィア先生
も」
しまったな。
俺達に何か用事があって、訪ねてきてたのか。
それは済まないことをした。
「ごめんね、待たせちゃって。どうかしたの?」
「あの、これ…。ナジュ先生に…」
二人は、大きな青い花束を差し出した。
何処からこんな花束を、と思ってよく見てみると。
その花束は、本物の花ではなく、紙で出来ていた。
青い折り紙で折った、薔薇の花束。
「これは…?」
「あの、俺達、風魔法サークルのメンバーで」
そう言われて、思い出した。
そうだ、この生徒、二人共風魔法サークルのメンバーだ。
「ナジュ先生、倒れる少し前の何週間か、サークルに通ってくれて…。俺達に色々教えてくれて…」
「…」
「それなのに、今、その…こんなことになって、せめて俺達に出来ることはないかって、サークルの皆で話し合って…」
「千羽鶴折って渡してもらおうと思って。でも、折角だから鶴じゃなくて、学院のエンブレムにしようって話になって…」
二人は、交互にそう説明してくれた。
そうだな。俺とシルナとイレースで、決めたもんな。
学院のエンブレム、青い薔薇にしようって。
「新聞部の三人組に頼んで、校内広報に載せてもらったんです。ナジュ先生の為に、皆で薔薇を折ろうって。…快く記事にしてくれました」
…あの新聞部三人組、そんなことを。
「すぐに千羽…じゃなくて、千輪、集まりました。ちょっと…オーバーしちゃってますけど」
「…」
「だから、これ…学院長先生の方から、ナジュ先生に渡してもらえませんか?俺達は行けないから…」
…一応。
生徒達には、ナジュが学院の医務室にいることを伝えていない。
国内の病院に入院しており、面会謝絶状態だと伝えてある。
生徒達を騙すのは本意ではないが、ナジュが医務室にいると知れば、生徒達は余計に心配し、医務室に殺到するだろうし。
特に、ナジュが倒れた本当の理由を、生徒達に伝える訳にはいかない。
だから、生徒達の中で、本当のことを知っているのは、令月とすぐりの二人だけだ。
故に。
生徒達はこうして、せめてもの励ましになればと…。
不安そうな顔で、紙の花束を差し出す生徒に、俺は胸が苦しくなった。


