俺は、ツキナにもらった紫陽花の花束を手に。
遅れ馳せながら、医務室に向かった。
さっき、沈んでいた俺の心を癒やしてくれたから。
今度は、ナジュせんせーを癒やしてやってくれ。紫陽花。
すると。
「…げ」
「あ、『八千歳』…」
ナジュせんせーの傍らに、丸椅子を置いて。
『八千代』が、そこに座っていた。
何でいるのこいつ…。
「…学院長せんせー達は?」
「さっき帰った。入れ違いだね」
あっそ。
「それじゃ、何で君はまだここに残ってるの?」
「何でだろ。不死身先生が心配だからかな」
「ふーん…。君に、誰かを心配する気持ちがあったことに驚いたよ」
「僕もだよ」
は?
『八千代』は、相変わらず無表情に俺を見つめて言った。
「『八千歳』が、誰かを心配するとは思わなかった」
「…」
…くっ…そ。
「一緒にしないでくれるかな〜?俺は、生まれたときから善意の塊だよ」
「そっか」
…まぁ、それは嘘なんだけど。
それより。
気になるのは、ナジュせんせーの傍らに立て掛けられた、何処か見覚えのあるお面。
「何を持ってきてるのさ…」
「まじないのお面」
「…」
それさー、ジャマ王国の人間には、効果あるかもしれないけど。
ナジュせんせーには、無理なんじゃないかな。
むしろ、目を覚ました途端に、ビビってまた失神しそう。
「何処から持ってきたのさ」
「自分で造った」
無駄なところで仕事がまめ。
こんな迷信に、本気で効果があると思って、このお面をせっせと自作したのかと思うと。
本当に馬鹿だなぁと思うけど。
しかし、今ばかりは、他人のことは言えない。
俺だって、病人の傍に花束を持ってくれば、早く元気になる…なんて迷信に惑わされて、紫陽花持ってきたんだから。
これって何か、効果実証されてるの?
どっちかと言うと、持ってきた人間の自己満足のような気がするけど。
そもそもナジュせんせー寝てるんだから、いくらおどろおどろしいお面を持ってこようが、綺麗な紫陽花持ってこようが。
見えてなきゃ意味がない。
何をやってるんだろうなー。俺達。
…ただ、何もせずにはいられないだけなんだろうな。
「それどうしたの、紫陽花」
「園芸部でもらってきた…。ナジュせんせーにあげる」
「そっか。喜ぶと良いね」
そーだね。
医務室に置いてあった花瓶を拝借し、そこに紫陽花を活け。
ナジュせんせーのベッドの、サイドテーブルに置いてみる。
…何処からどう見ても、ザ・病人って感じ。
お面がシュール過ぎる。
「…早く起きてよ」
俺は、眠り続けるナジュせんせーに声をかけた。
どうせ届いてないと分かっていても。
「どうやって白馬の王子様になろうかとか、何処に花畑作ろうかとか…相談出来るの、君だけなんだからさー…」
折角、俺の心の仮面を破れるようになったばっかじゃん。
実戦で試すんじゃなかったの。
こんなところで寝てたんじゃ…。
「…『八千歳』」
「…何だよ?」
「よく分かんないけど、王子様とか花畑のことなら、僕が相談に…」
「あーはいはい、そーいうの良いからね〜。気持ちだけ受け取っとくよ」
折角、手土産持って見舞いに来たのに。
『八千代』のせいで、雰囲気がぶち壊しだよ。全く。
遅れ馳せながら、医務室に向かった。
さっき、沈んでいた俺の心を癒やしてくれたから。
今度は、ナジュせんせーを癒やしてやってくれ。紫陽花。
すると。
「…げ」
「あ、『八千歳』…」
ナジュせんせーの傍らに、丸椅子を置いて。
『八千代』が、そこに座っていた。
何でいるのこいつ…。
「…学院長せんせー達は?」
「さっき帰った。入れ違いだね」
あっそ。
「それじゃ、何で君はまだここに残ってるの?」
「何でだろ。不死身先生が心配だからかな」
「ふーん…。君に、誰かを心配する気持ちがあったことに驚いたよ」
「僕もだよ」
は?
『八千代』は、相変わらず無表情に俺を見つめて言った。
「『八千歳』が、誰かを心配するとは思わなかった」
「…」
…くっ…そ。
「一緒にしないでくれるかな〜?俺は、生まれたときから善意の塊だよ」
「そっか」
…まぁ、それは嘘なんだけど。
それより。
気になるのは、ナジュせんせーの傍らに立て掛けられた、何処か見覚えのあるお面。
「何を持ってきてるのさ…」
「まじないのお面」
「…」
それさー、ジャマ王国の人間には、効果あるかもしれないけど。
ナジュせんせーには、無理なんじゃないかな。
むしろ、目を覚ました途端に、ビビってまた失神しそう。
「何処から持ってきたのさ」
「自分で造った」
無駄なところで仕事がまめ。
こんな迷信に、本気で効果があると思って、このお面をせっせと自作したのかと思うと。
本当に馬鹿だなぁと思うけど。
しかし、今ばかりは、他人のことは言えない。
俺だって、病人の傍に花束を持ってくれば、早く元気になる…なんて迷信に惑わされて、紫陽花持ってきたんだから。
これって何か、効果実証されてるの?
どっちかと言うと、持ってきた人間の自己満足のような気がするけど。
そもそもナジュせんせー寝てるんだから、いくらおどろおどろしいお面を持ってこようが、綺麗な紫陽花持ってこようが。
見えてなきゃ意味がない。
何をやってるんだろうなー。俺達。
…ただ、何もせずにはいられないだけなんだろうな。
「それどうしたの、紫陽花」
「園芸部でもらってきた…。ナジュせんせーにあげる」
「そっか。喜ぶと良いね」
そーだね。
医務室に置いてあった花瓶を拝借し、そこに紫陽花を活け。
ナジュせんせーのベッドの、サイドテーブルに置いてみる。
…何処からどう見ても、ザ・病人って感じ。
お面がシュール過ぎる。
「…早く起きてよ」
俺は、眠り続けるナジュせんせーに声をかけた。
どうせ届いてないと分かっていても。
「どうやって白馬の王子様になろうかとか、何処に花畑作ろうかとか…相談出来るの、君だけなんだからさー…」
折角、俺の心の仮面を破れるようになったばっかじゃん。
実戦で試すんじゃなかったの。
こんなところで寝てたんじゃ…。
「…『八千歳』」
「…何だよ?」
「よく分かんないけど、王子様とか花畑のことなら、僕が相談に…」
「あーはいはい、そーいうの良いからね〜。気持ちだけ受け取っとくよ」
折角、手土産持って見舞いに来たのに。
『八千代』のせいで、雰囲気がぶち壊しだよ。全く。


