神殺しのクロノスタシス3

―――――…一時間目の、授業中のことだった。

退屈な授業を受けていると。

突如として、教室のドアがノックされた。

「授業中、失礼します」

「…?」

イレースせんせーだった。

いきなり何しに来たんだ、あの人。

しかもあんな…焦ったような顔で。

「花曇すぐりさん、悪いんですが、少し来てもらえますか」

え、俺?

何より円滑な授業を重んじるあのイレースせんせーが、授業を中断してまで俺を呼ぶって。

…何かあったのは間違いない。

問題は、何があったのか、だ。

「分かった。行くよ」

「すぐり君、私、ノート取っておくね」

何も知らない無邪気なツキナが、そう申し出た。

この子は、全く。

嬉しいこと言ってくれるよ。

「ありがと」

ツキナにそう言い残して、俺は席を立った。

教室を出て、ドアを閉めるなり。

イレースせんせーは、足早に歩き出した。

俺はそれを追いながら、問い掛けた。

「どうしたの?」

わざわざ、俺を呼ぶのだ。

それ相応の事が起きたに違いない。

「とにかく医務室に来てください。そこで説明を…」

と、イレースせんせーが言いかけたそのとき。

「あ」

「あ」

医務室に向かう曲がり角で、『八千代』と遭遇。

彼もまた授業中に呼び出されたらしく、シルナ学院長の分身に伴われていた。

お互いの姿を見て、俺達は同じことを思った。

俺達が、揃って呼ばれたのだ。

やはり、それ相応の事が起きたのだ。

「令月さんも来ましたね。入ってください」

俺と『八千代』は、医務室に入った。

すると、そこには。

「令月君…すぐり君…」

心配そうな顔をした学院長と、羽久せんせーと天音せんせーと。

死体のようにぐったりとした、ナジュせんせーがベッドに横たわっていた。