神殺しのクロノスタシス3

俺とシルナが、急いで四年生の教室に向かうと。

そこは既に、阿鼻叫喚の様相を呈していた。

「あぁぁぁぁぁっ!!ぐっ、あ、うぁぁぁぁぁ!」

ナジュの叫び声が、教室中に響いていた。

生徒達は、どうしたら良いのか分からず、呆然と立ち尽くしていた。

一体、これは何事だ。

「ナジュ君!大丈夫!?」

シルナが、慌てて駆け寄ろうとしたが。

ナジュは、俺とシルナの姿を認めるなり、顔を引き攣らせた。

「あっ…ぐ、だ、だめ…これ、以上は…」

…これ以上?

それは、どういう…。

「落ち着いて、ナジュ君。だいじょ、」

「い、嫌ぁぁぁぁ!来ないで、もう…あぁぁぁ!!」

半狂乱になって叫ぶナジュ。

明らかに、俺達を拒んでいた。

一体、何があった?

不死身のはずのナジュが、苦痛に喘いでいるなんて。

何が起きている?

すると。

「…!?ナジュさん…!?」

「天音君!」

先程の生徒が呼びに行った天音が、教室に到着した。

ナジュが、また苦しみ出した。

「嫌ぁぁぁぁ!あぁぁぁぁ!!」

頭を押さえ、狂ったように叫ぶばかり。

生徒達の動揺は、呆然を通り越して、恐怖に変わっていくのが分かった。

とにかく、乱暴でも何でも、ナジュを教室から連れ出さなくては。
 
「シルナ!」

「分かった!ナジュ君…ちょっとごめんね!」

シルナは、雷魔法をまとわせた杖をナジュに向けた。

普段のナジュなら、目視で簡単に避けるであろうその魔法を食らって。

「ひっ…あ…」

事切れたように、その場にバタリ、と倒れた。

目や鼻や耳から、血が垂れていた。

そんなナジュを、俺は抱え上げた。

ぐったりとしたナジュは、まるで死体のように見えた。

彼がもし、不死身の身体であると知っていなかったら。

今すぐ、ナジュが起きるまで揺さぶっていたことだろう。