神殺しのクロノスタシス3

―――――…そのとき。

俺とシルナは、学院長室にいた。

「…おい、大丈夫かシルナ」

「うぅ…」

シルナは、みっともなく机に突っ伏して、ぶーたれていた。

年甲斐もなく。

「あんなに怒る?ねぇ。私が払うよって言ったのに。あんなに怒る?普通。ねぇ」

昨日、鬼教官イレースに、散々叱られまくったのが、相当響いてるらしいな。

お前が怒られるようなことをするからだろ。

イレースだって、理由もないのに怒らないよ。

あとは、まぁ…。

「…日頃の行いだな」

「酷い!」

だって事実だし。

生徒におだてられたからって、菓子買うのやめろよ。

しかも、あんな大量に。

そりゃ怒られるわ。

「とにかく、しばらくは菓子を控えて…」

と、俺が言いかけた、

そのときだった。

「学院長先生…!」

血相を変えた生徒が、学院長室に飛び込んで来た。

「え、ど、どうしたの?」

シルナは、慌ててガバっと起き上がった。

今は、授業の時間だろう。

何故、今生徒がここにいる?

「ナジュ先生が…ナジュ先生がいきなり…!」

その生徒は、狼狽えながら言った。

ナジュだって…?

「落ち着いて、一体どうしたの?」

シルナが、生徒の背中をさすりながら問い掛けた。

「ナジュ先生が、いきなり狂ったように叫んで…倒れてしまって…」

…何だと?

俺とシルナは、互いに顔を見合わせた。

「凄く苦しそうで…どうしたら良いのか分からなくて…」

「分かった。すぐに行くから」

シルナは、即座にそう答えた。

努めて、優しそうな口調で。

生徒を心配させないように。

こういうところは、さすがだと思う。

「保健室に行って、天音先生を呼んできてくれるかな」

「で、でも…」

「大丈夫。ナジュく…ナジュ先生のことは、私達に任せて。よく伝えに来てくれたね。ありがとう」

シルナは笑顔でそう言い、生徒を宥めた。

すると生徒は頷いて、その足で保健室に向かった。

そして。

「羽久、行こう」

「あぁ」

何があったのか知らないが、とにかく現場に駆けつけないことには分からない。