―――――…風魔法サークルでの訓練を終えた、翌日。
早速実践…って訳ではないが。
僕は、会得した読心魔法を、部室以外の場所で使ってみることにした。
教室である。
折角風魔法の授業全般は、僕が任されているのだから。
そして座学の授業のときは、教室にはおよそ二十名近くの生徒が目の前にいる。
さすがに二十人は読心出来ないが、その半分なら余裕。
余裕になったのだ。これが。
凄いだろう?
そんな訳で、今度は教室で実践することにする。
教室で実践出来なくて、いざ戦場では使えないからな。
「こんにちはー。じゃ、授業始めますねー」
僕は、その日の朝一番。
風魔法の座学授業が行われる、四年生の教室に入った。
…さて。
じゃあ、僕の方も始めようか。
「今日はまず、テキストの24ページを開いて…」
テキストを開くと同時に。
僕は、生徒達の心をも開く。
手前にいる生徒を、同時に十人。
ズキン、と走る頭痛を無視して、素知らぬ顔で授業と読心を同時に始める。
「えっと、そこに書いてあるように、高度風魔法の魔導理論は、基礎魔導理論を応用して…」
イーニシュフェルト魔導学院の生徒達は、優秀だ。
授業中は、余所事を考えたりせず、真面目に授業に取り組む。
テキストを熱心に読み、そこに書かれている高度な魔導理論を理解しようと、頭を働かせる。
流れ込んでくる情報の波に、ズキン、と再び痛みを感じた、
そのときだった。
「…え?」
僕は、手前に座っている十人の心しか読んでない。
それなのに。
何故かその後ろの、十一人目の生徒の思考が、僕の頭の中にはいってきた。
それだけではない。
十二人目、十三人目の思考が、僕の頭の中に入ってきた。
勝手に。
待って。
僕、そこまで読んでない。
おかしい。
「…っ」
僕は、読心をやめようとした。
明らかに、僕の手に負える範囲を越えていた。
しかし。
読心魔法をやめたのに、やめたはずなのに。
止められなかった。
「…っ!?」
使用者である僕の意思に反して、勝手に読心魔法が暴走していた。
十三人目、十四人目。
待って。無理。そんなに読めない。
「…ナジュ先生?」
「どうしたんですか?」
不審がった生徒達が、僕に声をかけてくる。
途端に、先程より過剰な情報の波が押し寄せてきた。
『先生、どうしたんだろう?』
『具合でも悪いのかな』
『この間も一週間くらい休んでたし』
『授業、どうなっちゃうんだろ?』
「や、やめ…」
教室中の、全ての人間の思考が。
莫大な情報の波となって、僕の頭の中に押し寄せてきた。
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
頭が破裂しそうな激痛と苦痛で、僕は頭を抱えてその場に崩れ落ちた。
早速実践…って訳ではないが。
僕は、会得した読心魔法を、部室以外の場所で使ってみることにした。
教室である。
折角風魔法の授業全般は、僕が任されているのだから。
そして座学の授業のときは、教室にはおよそ二十名近くの生徒が目の前にいる。
さすがに二十人は読心出来ないが、その半分なら余裕。
余裕になったのだ。これが。
凄いだろう?
そんな訳で、今度は教室で実践することにする。
教室で実践出来なくて、いざ戦場では使えないからな。
「こんにちはー。じゃ、授業始めますねー」
僕は、その日の朝一番。
風魔法の座学授業が行われる、四年生の教室に入った。
…さて。
じゃあ、僕の方も始めようか。
「今日はまず、テキストの24ページを開いて…」
テキストを開くと同時に。
僕は、生徒達の心をも開く。
手前にいる生徒を、同時に十人。
ズキン、と走る頭痛を無視して、素知らぬ顔で授業と読心を同時に始める。
「えっと、そこに書いてあるように、高度風魔法の魔導理論は、基礎魔導理論を応用して…」
イーニシュフェルト魔導学院の生徒達は、優秀だ。
授業中は、余所事を考えたりせず、真面目に授業に取り組む。
テキストを熱心に読み、そこに書かれている高度な魔導理論を理解しようと、頭を働かせる。
流れ込んでくる情報の波に、ズキン、と再び痛みを感じた、
そのときだった。
「…え?」
僕は、手前に座っている十人の心しか読んでない。
それなのに。
何故かその後ろの、十一人目の生徒の思考が、僕の頭の中にはいってきた。
それだけではない。
十二人目、十三人目の思考が、僕の頭の中に入ってきた。
勝手に。
待って。
僕、そこまで読んでない。
おかしい。
「…っ」
僕は、読心をやめようとした。
明らかに、僕の手に負える範囲を越えていた。
しかし。
読心魔法をやめたのに、やめたはずなのに。
止められなかった。
「…っ!?」
使用者である僕の意思に反して、勝手に読心魔法が暴走していた。
十三人目、十四人目。
待って。無理。そんなに読めない。
「…ナジュ先生?」
「どうしたんですか?」
不審がった生徒達が、僕に声をかけてくる。
途端に、先程より過剰な情報の波が押し寄せてきた。
『先生、どうしたんだろう?』
『具合でも悪いのかな』
『この間も一週間くらい休んでたし』
『授業、どうなっちゃうんだろ?』
「や、やめ…」
教室中の、全ての人間の思考が。
莫大な情報の波となって、僕の頭の中に押し寄せてきた。
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
頭が破裂しそうな激痛と苦痛で、僕は頭を抱えてその場に崩れ落ちた。


