確かに、俺は忘れなかった。
雷の迸る杖を片手にしたイレースに、散々追い掛け回されるシルナのことは、忘れていなかった。
しかし、ナジュのことは忘れていた。
彼が何故学院長室に来なくなったのか。
彼が何故、ありもしない嘘をついて、風魔法サークルに顔を出していたのか。
その日が来るまで、俺達は、彼の何も見ていなかったことを知るのである。
雷の迸る杖を片手にしたイレースに、散々追い掛け回されるシルナのことは、忘れていなかった。
しかし、ナジュのことは忘れていた。
彼が何故学院長室に来なくなったのか。
彼が何故、ありもしない嘘をついて、風魔法サークルに顔を出していたのか。
その日が来るまで、俺達は、彼の何も見ていなかったことを知るのである。


