神殺しのクロノスタシス3

確かに、俺は忘れなかった。

雷の迸る杖を片手にしたイレースに、散々追い掛け回されるシルナのことは、忘れていなかった。

しかし、ナジュのことは忘れていた。

彼が何故学院長室に来なくなったのか。

彼が何故、ありもしない嘘をついて、風魔法サークルに顔を出していたのか。

その日が来るまで、俺達は、彼の何も見ていなかったことを知るのである。