「さー羽久食べよ!フロランタンた~べよ!」
嬉しそうで何より。
「令月君もほら!そんな勉強ばっかりしてないで!フロランタン食べよ!」
「風呂…提燈(らんたん)…!?」
令月が、何か凄い勘違いをしている気がする。
そんなものを食べるのかと、驚愕していらっしゃる。
大丈夫だ令月。食べ物だから。
「イレースちゃんは、多分また後で来てくれるからそのときに…。で、こっちがナジュ君の分!」
「…」
…って。
「…いないぞ?ナジュ」
「えっ!何で!?」
何でだろうな。
「最近また見なくなったよな…。一時期は戻ってきてたのに…」
あいつ、何処ほっつき歩いてんの?
またすぐりのところに行って、悪どいことでも企んでるのだろうか。
「令月、何か聞いてるか?」
「何を?風呂提燈について…?」
いやそれじゃなくて。
「ナジュだよ。すぐりとつるんで、また悪さしてるんじゃないのか?」
「知らない…。ただ、『八千歳』この間、変なこと言ってたけど」
「変なこと?」
令月もだいぶ変なことばっか言ってるけどな。風呂提燈とか。
「この間は、馬買ってこなきゃ…って言ってた」
「馬!?」
…何を考えてるんだ、あいつは。
競馬でも始めるつもりなのか?
ナジュに変な入れ知恵でもされたのか?
分からん…。あいつ、全然ここに来ないから、今何処でどういう状況なのか、全然分からん。
しかし、すぐりのところに入り浸っている訳ではないのか。ナジュの奴は。
じゃあ何処に行ったんだ?
あいつは、人の心は簡単に読む癖に、自分の心は読まれないと思って、好き勝手やるからな。
「え~…。またナジュ君いないの?フロランタンが余っちゃうよ~…」
「…風呂と提燈、本気で食べるつもりなんだ…」
「…」
…まぁ、この天然二人は置いておくとして。
ナジュの奴、何をやってるんだか。
今度、問い質してみた方が良いかな…。
…と、思っていると。
「こんにちはー、学院長先生」
「あっ、サトリ君!いらっしゃい!」
学院長室に、生徒が一人、訪ねてきた。
六年生の男子生徒である。
六年生にもなれば、学院長室に入ってくるのも慣れたもの。
一、二年生は緊張でガチガチしながら入ってくるが。
上級生になるにつれて、別に自分の部屋感覚で入っても、何一つ咎められることはないと悟っていく。
イーニシュフェルトあるあるみたいなものだ。
「どうしたの?何か用事?」
「あ、はい」
「何々?私に解決出来ることならな~んでも…」
「え?いや、学院長先生じゃなくて、グラスフィア先生に」
俺?
「がーんっ」
シルナ、絶望。
残念だったな。お前要らないってさ。
「俺に何の用だ?」
「これ、昨日課題に出た、時魔法のレポート…。提出しに来ました」
あぁ、成程。
確かに昨日、時魔法の授業でレポート課題出したっけな。
「早かったな。一番乗りだ」
「えへへ、ちょっと頑張ってみました」
そうか。
勉強熱心で良いことだ。将来有望だな。
「分かった。確かに受け取った」
「宜しくお願いします」
レポートを提出し、帰っていこうとするサトリを。
シルナが、ガシッと鷲掴みにした。
おい。
「が、学院長?」
「フロランタン!折角だからフロランタン持ってってほら!ナジュ君いなくて余っちゃって~!」
「ふ、フロランタン…。…あ、ナジュ先生と言えば」
うん?
サトリはくるりと振り向き、苦笑いでこう言った。
「聞きましたよ、学院長先生」
「…?何を?」
「秘蔵のチョコレートをこっそり食べられたからって、ナジュ先生を追い出したそうじゃないですか。もうそろそろ許してあげてくださいよ~」
と。
サトリは、苦笑いで言ったが。
俺もシルナも、訳が分からずはてなマークを浮かべた。
…何の話だ?
「チョコ…?追い出した…?」
「ナジュ先生立ち入り禁止!って。まぁ、お陰で風魔法サークルの活動が捗って良いって、友達が言ってました。俺の友達、風魔法サークルに入ってるんで」
「…風魔法サークル…?」
ますます、何の話だ?
俺とシルナは、訳が分からず顔を見合わせた。
…サトリが嘘をつくはずがないし、嘘をついてる様子もないし。
一体、俺達が知らない間に、何が起きてるんだ?
「サトリ、その話詳しく…」
聞かせてくれ、と頼もうとした、
そのとき。
バーン!と音を立てて、学院長室の扉が開けられた。
すると、そこには。
「…ひっ」
思わず後ずさりしてしまいそうなほど、怒りのオーラを身にまとった…。
…元ラミッドフルスの鬼教官、イレースが立っていた。
嬉しそうで何より。
「令月君もほら!そんな勉強ばっかりしてないで!フロランタン食べよ!」
「風呂…提燈(らんたん)…!?」
令月が、何か凄い勘違いをしている気がする。
そんなものを食べるのかと、驚愕していらっしゃる。
大丈夫だ令月。食べ物だから。
「イレースちゃんは、多分また後で来てくれるからそのときに…。で、こっちがナジュ君の分!」
「…」
…って。
「…いないぞ?ナジュ」
「えっ!何で!?」
何でだろうな。
「最近また見なくなったよな…。一時期は戻ってきてたのに…」
あいつ、何処ほっつき歩いてんの?
またすぐりのところに行って、悪どいことでも企んでるのだろうか。
「令月、何か聞いてるか?」
「何を?風呂提燈について…?」
いやそれじゃなくて。
「ナジュだよ。すぐりとつるんで、また悪さしてるんじゃないのか?」
「知らない…。ただ、『八千歳』この間、変なこと言ってたけど」
「変なこと?」
令月もだいぶ変なことばっか言ってるけどな。風呂提燈とか。
「この間は、馬買ってこなきゃ…って言ってた」
「馬!?」
…何を考えてるんだ、あいつは。
競馬でも始めるつもりなのか?
ナジュに変な入れ知恵でもされたのか?
分からん…。あいつ、全然ここに来ないから、今何処でどういう状況なのか、全然分からん。
しかし、すぐりのところに入り浸っている訳ではないのか。ナジュの奴は。
じゃあ何処に行ったんだ?
あいつは、人の心は簡単に読む癖に、自分の心は読まれないと思って、好き勝手やるからな。
「え~…。またナジュ君いないの?フロランタンが余っちゃうよ~…」
「…風呂と提燈、本気で食べるつもりなんだ…」
「…」
…まぁ、この天然二人は置いておくとして。
ナジュの奴、何をやってるんだか。
今度、問い質してみた方が良いかな…。
…と、思っていると。
「こんにちはー、学院長先生」
「あっ、サトリ君!いらっしゃい!」
学院長室に、生徒が一人、訪ねてきた。
六年生の男子生徒である。
六年生にもなれば、学院長室に入ってくるのも慣れたもの。
一、二年生は緊張でガチガチしながら入ってくるが。
上級生になるにつれて、別に自分の部屋感覚で入っても、何一つ咎められることはないと悟っていく。
イーニシュフェルトあるあるみたいなものだ。
「どうしたの?何か用事?」
「あ、はい」
「何々?私に解決出来ることならな~んでも…」
「え?いや、学院長先生じゃなくて、グラスフィア先生に」
俺?
「がーんっ」
シルナ、絶望。
残念だったな。お前要らないってさ。
「俺に何の用だ?」
「これ、昨日課題に出た、時魔法のレポート…。提出しに来ました」
あぁ、成程。
確かに昨日、時魔法の授業でレポート課題出したっけな。
「早かったな。一番乗りだ」
「えへへ、ちょっと頑張ってみました」
そうか。
勉強熱心で良いことだ。将来有望だな。
「分かった。確かに受け取った」
「宜しくお願いします」
レポートを提出し、帰っていこうとするサトリを。
シルナが、ガシッと鷲掴みにした。
おい。
「が、学院長?」
「フロランタン!折角だからフロランタン持ってってほら!ナジュ君いなくて余っちゃって~!」
「ふ、フロランタン…。…あ、ナジュ先生と言えば」
うん?
サトリはくるりと振り向き、苦笑いでこう言った。
「聞きましたよ、学院長先生」
「…?何を?」
「秘蔵のチョコレートをこっそり食べられたからって、ナジュ先生を追い出したそうじゃないですか。もうそろそろ許してあげてくださいよ~」
と。
サトリは、苦笑いで言ったが。
俺もシルナも、訳が分からずはてなマークを浮かべた。
…何の話だ?
「チョコ…?追い出した…?」
「ナジュ先生立ち入り禁止!って。まぁ、お陰で風魔法サークルの活動が捗って良いって、友達が言ってました。俺の友達、風魔法サークルに入ってるんで」
「…風魔法サークル…?」
ますます、何の話だ?
俺とシルナは、訳が分からず顔を見合わせた。
…サトリが嘘をつくはずがないし、嘘をついてる様子もないし。
一体、俺達が知らない間に、何が起きてるんだ?
「サトリ、その話詳しく…」
聞かせてくれ、と頼もうとした、
そのとき。
バーン!と音を立てて、学院長室の扉が開けられた。
すると、そこには。
「…ひっ」
思わず後ずさりしてしまいそうなほど、怒りのオーラを身にまとった…。
…元ラミッドフルスの鬼教官、イレースが立っていた。


