神殺しのクロノスタシス3

何で五人なのか。

聖徳太子の半分じゃないか。

五人以上だと何か不味いことでもあるのか、自分でも分からないが。

どうやら、僕の脳みそ。

五人以上の読心は危険だと判断したらしく、リミッターをかけている。

推測だが、以前の経験から、五人以上はヤバい、と無意識に思い込んでいるのが原因だと思う。

実際、ちょっと勇気を出して踏み込んでみれば、五人以上の読心は可能だ。

ただ、やはり目指せ十人となると、たかだか五人程度でリミッターかけてるんじゃ、話にならない。

半分だぞ、半分。

目標の、たかが半分で躓くとは。

貧弱過ぎるぞ、僕の脳みそ。

そんな訳なので。

僕は、このリミッターを、早々に外すことにした。

そもそもこれは、幼い頃の僕が無意識にかけた、何百年も前の暗示みたいなものだ。

いつまでもこんな古い暗示にかけられてるなんて、馬鹿馬鹿しい。

こんな馬鹿馬鹿しいリミッターなんて、無視して放っておけば、勝手に外れるだろう。

…と、思っていたのだが。




「…うーん…」

存外、このリミッターはなかなか外れてくれなかった。

原因は、何となく分かっている。

僕自身が、未だにこの五人以上リミッターを外すことを、無意識に怖がっている。

また脳みそパンクしてしまうんじゃないか?という恐怖心が、心の何処かに残ってる。

それから、もう一つ。

僕が(勝手に)訓練場にしている学院長室の人口密度が、五人以上になる機会が少ない。

先程も言った通り、放課後の学院長室に常時駐在しているのは、僕を除いて三人。

で、時間帯によってイレースさんが来て、四人になる。

五人以上になるのは、生徒が学院長室を訪ねてきたときだけ。

しかし、生徒達も、毎日学院長室にやって来る訳でもなく。

訓練しようにも、訓練する機会がない。

これじゃあ、練習にならない。

場数をこなさなければ、恐怖心という名のリミッターは外せない。

いつまでも五人以上リミッターに苦しんでいるのは、これが原因だろう。

そこで。

僕は、五人以上リミッターを外す為、別の試みを模索することにした。