神殺しのクロノスタシス3

こうして。

僕は連日、密かに、複数人同時読心の訓練を始めた。

基本的に、放課後になったら学院長室に毎日集まるのは、四人だ。

まずは部屋の主であるシルナ学院長。

それから、その学院長とセットの羽久さん。

そして、相変わらず律儀に放課後学習会に参加している令月さん(もう一人は園芸部でキャッキャウフフしてるのに)。

あとは、定期連絡その他、学院長にしか出来ない用事を済ませに来るイレースさん。

この四人である。

三人は確定で、イレースさんは用事が済めば帰ることが多いので。

実質、常時読心を続けられるのは三人だけなのだが。

とはいえ、イレースさんは滞在時間は短いものの、「情報量」は一番多い。

だから、彼女が来ると、非常に神経を使う。

更に。

放課後の学院長室には、不定期に生徒達がお菓子をもらいに来たり、遊びに来たり、あるいは勉強を教えてもらいに来たりと。

生徒達が複数名、やって来ることがある。

そんなときは儲けものだ。

やって来る生徒達も、同時に読心させてもらう(無断)。

の、だが。

やはり、人数が増えれば増えるほど、負担は大きかった。

そして、何より。

二週間ほど訓練を続けて、分かったことがある。

五人の壁が、結構高い。

って、どういう意味かと言うと。

同時に読心魔法を使う人数として、五名を越えると、途端に苦しくなるのである。

自分でも、無意識なのだが。

僕は恐らく、五人以上の同時読心をしないよう、自分で自分にリミッターをかけているのだと思う。