神殺しのクロノスタシス3

──────…令月が、校舎内に侵入したことも知らず。

俺達教師陣は、シルナの学院長室に集まっていた。

メンバーは、五人。

俺とシルナ、イレース、ナジュ、そして天音。

増えたもんだな、教師。

最初は、俺とシルナの二人しかいなかったのに。

あれから、色んなことが起きたのだと改めて実感する。

そしてこれから、また色んなことが起きようとしている。

その為に、集まったのだ。

「…皆、もう分かってると思うけど」

シルナは、そう切り出した。

「間違いなく、『アメノミコト』は報復を仕掛けてくる。きっと、近いうちに」

「…」

…だろうな。

「先日の襲撃で敗北して、今度はきっと、前回とは比べ物にならない規模の襲撃を仕掛けてくると思った方が良い」

「…まぁ、そうなるでしょうねぇ」

そう言って、肘をつくナジュ。

「問題は、彼らの標的が分からないことだ。学院そのものに攻撃するか、あるいは令月君一人だけを狙うのか、それとも、ルーデュニア聖王国ごと敵に回すつもりなのか…」

「もし国ごと相手取るつもりなら、我々だけの手には負えませんね」

と、イレース。

その通りだ。

『アメノミコト』が、全勢力を持ってルーデュニア聖王国に攻め込んでくるつもりなら。

ここにいる五人だけでは、とても手に負えない。

聖魔騎士団に応援を呼び、国と国との争いになる。

果たして、『アメノミコト』は何処まで考えているのか。

せめて、イーニシュフェルト魔導学院でどうにか出来る規模にしてくれ。

俺達は、ここにいる五人で、生徒達を守ることに全力を尽くさなければならないのだ。

「まず何より優先すべきは、令月君を含め、生徒達を守ることだ」

シルナも、俺と同意見のようだ。

まぁ、シルナはそうだろうよ。

「生徒達には傷一つつけさせない。彼らは何も関係ないんだから」

ジャマ王国との争いや、『アメノミコト』と令月の因縁なんて。

他の生徒にとっては、全く関係のないこと。

それに巻き込まれて、命が危ぶまれるなんて、絶対にあってはならない。

イーニシュフェルト魔導学院の、名誉にかけて。

「それで学院長。具体的には、どう対策を?」

と、尋ねる天音。

だな。具体的にどう動くか、動かないべきかを決めなくては。

「まずは、フユリ様に頼んで、国境の警備を強めてもらってる。ジャマ王国から、密入国する者を徹底的に取り締まってもらえるように」

まず、ジャマ王国とルーデュニア聖王国を繋ぐ国境のガード。

怪しい者は、まず入国さえさせない。

成程。正しい対策だ。

「それから、学院の警備の強化。これは天音君を教師として増員したことと、それに伴って私の分身の数を増やして、深夜でも学内を無人にしないように…」

「それは無駄だよ」

「!?」

突如聞こえた声に、俺達は一斉に振り向いた。

そこにいたのは。

「…令月…」

ついさっき、事件の渦中から遠ざけておこう、と話していた当人が。

そこに立っていた。