僕の読心魔法の弱点は、大きく分けて二つ。
一つは、心に仮面を被られると、心の奥、本心が読めない点。
こちらは、すぐりさんとの訓練を通して、ある程度解決した。
二つ目は、相手の目を見なければ、心を読めないこと。
そしてこの弱点の為に、同時に心を読めるのは一人だけに限られる。
相手の目を見なければ心が読めないのだから、当然と言えば当然だ。
同時に複数人の目を見ることは出来ない。故に、同時に複数の人間の心は読めない。
だから、僕はこの弱点を克服する。
目を見なくても、心を読めるようにする。
同時に、複数人に対して。
実は、この試みは、昔試したことがある。
当分昔だ。多分、まだリリスと出会って数年しかたってない頃だったと思う。
成長するにつれて、自分の読心魔法の熟練度が上がってることを感じ。
試しにと思って、やってみたのだ。
だが、失敗した。
同時に読心しようとした人数は精々、三、四人程度だったと思うが。
あのときは、見事に失敗した。
読めるには読めるのだが、僕の脳の処理速度が追い付かなかった。
溢れ返らんばかりの「情報」の渦に呑まれ、僕の頭が耐えきれずにパンクしてしまったのだ。
あれ以来、僕はこの試みを断念した。
と言うか、リリスに止められたのだ。
あのとき、僕が錯乱せんばかりに、見苦しく倒れたものだから。
リリスが、「もうやっちゃ駄目」と僕を止めた。
当時成長期だった僕の脳みそが、深刻なダメージを受けることを心配したのだ。
あの頃の僕は、リリスに従順な子供で。
それに、今と違って、読心魔法を極める必要も、特になかった。
だから素直に諦め、あれ以来、挑戦してみたことはなかった。
でも今は違う。
あれからもう何百年もたった。
リリスに守られるだけの、か弱いお子様じゃない。
自分で自分の身を守る…必要はないが(不死身なので)。
今は、自分の力で、他人の身を守る必要がある。
だから、今こそ。
僕は、複数人の同時読心を身につける訓練を、始めることにした。
まず三人。
何百年越しの頭痛はしたが、それだけだ。
大丈夫、制御出来てる。
比較的、三人共思考が穏やかなのも幸いしている。
シルナ学院長は、呑気にマカロン食べてるだけで。
考えてることと言えば、「マカロン美味しいな~。また生徒が遊びに来てくれかないかな~」くらい。
単純な脳みそでありがとう。
羽久さんは、特に何もしていない。
これが有り難い。
考えてることも、精々シルナ学院長を見て、「こいつ、まだ食うのかよ…」とドン引きしているくらい。
問題は、令月さんだ。
彼の思考の情報量が、一番多い。
何しろ、学院長から与えられた課題を解いているのだから、思考は目まぐるしく回っている。
令月さん、勉強熱心なのは良いことだが、今ばかりはもう少し、力抜いて問題に取り組んでくれないか。
いや、でも。
練習にしては、丁度良いレベルなのかもしれない。
他二人が比較的穏やかなお陰で、令月さんの情報量の多さにも、徐々に適応し始めてきた。
すると、そこに。
「学院長、入りますよ」
まさかの四人目。
イレースさんが、学院長室に入ってきた。
一つは、心に仮面を被られると、心の奥、本心が読めない点。
こちらは、すぐりさんとの訓練を通して、ある程度解決した。
二つ目は、相手の目を見なければ、心を読めないこと。
そしてこの弱点の為に、同時に心を読めるのは一人だけに限られる。
相手の目を見なければ心が読めないのだから、当然と言えば当然だ。
同時に複数人の目を見ることは出来ない。故に、同時に複数の人間の心は読めない。
だから、僕はこの弱点を克服する。
目を見なくても、心を読めるようにする。
同時に、複数人に対して。
実は、この試みは、昔試したことがある。
当分昔だ。多分、まだリリスと出会って数年しかたってない頃だったと思う。
成長するにつれて、自分の読心魔法の熟練度が上がってることを感じ。
試しにと思って、やってみたのだ。
だが、失敗した。
同時に読心しようとした人数は精々、三、四人程度だったと思うが。
あのときは、見事に失敗した。
読めるには読めるのだが、僕の脳の処理速度が追い付かなかった。
溢れ返らんばかりの「情報」の渦に呑まれ、僕の頭が耐えきれずにパンクしてしまったのだ。
あれ以来、僕はこの試みを断念した。
と言うか、リリスに止められたのだ。
あのとき、僕が錯乱せんばかりに、見苦しく倒れたものだから。
リリスが、「もうやっちゃ駄目」と僕を止めた。
当時成長期だった僕の脳みそが、深刻なダメージを受けることを心配したのだ。
あの頃の僕は、リリスに従順な子供で。
それに、今と違って、読心魔法を極める必要も、特になかった。
だから素直に諦め、あれ以来、挑戦してみたことはなかった。
でも今は違う。
あれからもう何百年もたった。
リリスに守られるだけの、か弱いお子様じゃない。
自分で自分の身を守る…必要はないが(不死身なので)。
今は、自分の力で、他人の身を守る必要がある。
だから、今こそ。
僕は、複数人の同時読心を身につける訓練を、始めることにした。
まず三人。
何百年越しの頭痛はしたが、それだけだ。
大丈夫、制御出来てる。
比較的、三人共思考が穏やかなのも幸いしている。
シルナ学院長は、呑気にマカロン食べてるだけで。
考えてることと言えば、「マカロン美味しいな~。また生徒が遊びに来てくれかないかな~」くらい。
単純な脳みそでありがとう。
羽久さんは、特に何もしていない。
これが有り難い。
考えてることも、精々シルナ学院長を見て、「こいつ、まだ食うのかよ…」とドン引きしているくらい。
問題は、令月さんだ。
彼の思考の情報量が、一番多い。
何しろ、学院長から与えられた課題を解いているのだから、思考は目まぐるしく回っている。
令月さん、勉強熱心なのは良いことだが、今ばかりはもう少し、力抜いて問題に取り組んでくれないか。
いや、でも。
練習にしては、丁度良いレベルなのかもしれない。
他二人が比較的穏やかなお陰で、令月さんの情報量の多さにも、徐々に適応し始めてきた。
すると、そこに。
「学院長、入りますよ」
まさかの四人目。
イレースさんが、学院長室に入ってきた。


