「やめるって…何をですか?」
「読心魔法の練習だよ…」
あぁ…その話。
「もう充分じゃない?心の仮面…壊せるようになったんでしょ?もう充分だよ」
「そうですね。そちらの訓練の方は、もう充分でしょうね」
あとは、実戦で通用するかどうかの話。
それはもう、やってみなければ分からない。
しかし。
僕が考えているもう一つの練習の方は、まだまだ手付かず。
誰に協力してもらう必要もないし、僕が勝手に頑張れば良いだけだから、後回しにしていたが。
明日から、ようやくそちらの練習に着手出来る。
「だからもう一つの方を、明日から練習するつもりなんです。それが出来れば、僕の読心魔法はもっと強化されて…」
「…強化…されなくても、良いじゃない」
…何?
「…リリス?」
「心の奥を覗くのも大変だったじゃない。もう充分だよ。これ以上頑張らなくて良いよ」
「…」
…それは、まぁ、確かに。
今まで、努力というものをしたことがほとんどない僕だから?
いきなり特訓とか始めたら、リリスとしては心配になるのかもしれないが。
「…リリスは、優しいですね」
優しい…と言うか。
僕に甘い。
多分、僕を望まずに不死身の身体にしてしまったという、負い目があるからだろうけど。
気持ちは嬉しいが、そんなに甘やかしてくれる必要はないのだ。
「…でも僕、もう嫌なんです。役に立たないとか言われるのも、思われるのも」
「…ナジュ君…」
「その為には努力しなくちゃいけない。足を止めちゃいけない。僕は元々敵側の人間だった。一度信頼を失ったら、取り戻すのは大変なんです」
「…」
あいつ頼りにならないな、とか。
役に立たないな、とか。
肉の壁になるしか能がない、とか。
そんな風に思われるのは、あまりに悲しいじゃないか。
「だけど…ナジュ君。あれは…危ないよ。前だって…」
「ねぇ、リリス」
あなたが悲しむ顔は見たくない。
でも僕にも、譲れないものがある。
「誰かに信頼されてないと、僕は…また、一人ぼっちだったときのことを思い出すんです」
誰にも頼れなくて、誰からも頼りにされなくて。
一人ぼっちで、ただ死に場所を求めて、狂ったように彷徨っていた日々のことを。
あんな思いは、もう二度としたくない。
あんな思いをしない為に、僕は強くならなければならない。
「ナジュ君…」
「だから、止めないでください。大丈夫ですよ、僕は…ちゃんと出来ますから」
「…無理はしないで。お願いだから、無理はしないでね」
「分かってますよ」
僕はリリスに微笑んでみせたが。
リリスは、笑わなかった。
「読心魔法の練習だよ…」
あぁ…その話。
「もう充分じゃない?心の仮面…壊せるようになったんでしょ?もう充分だよ」
「そうですね。そちらの訓練の方は、もう充分でしょうね」
あとは、実戦で通用するかどうかの話。
それはもう、やってみなければ分からない。
しかし。
僕が考えているもう一つの練習の方は、まだまだ手付かず。
誰に協力してもらう必要もないし、僕が勝手に頑張れば良いだけだから、後回しにしていたが。
明日から、ようやくそちらの練習に着手出来る。
「だからもう一つの方を、明日から練習するつもりなんです。それが出来れば、僕の読心魔法はもっと強化されて…」
「…強化…されなくても、良いじゃない」
…何?
「…リリス?」
「心の奥を覗くのも大変だったじゃない。もう充分だよ。これ以上頑張らなくて良いよ」
「…」
…それは、まぁ、確かに。
今まで、努力というものをしたことがほとんどない僕だから?
いきなり特訓とか始めたら、リリスとしては心配になるのかもしれないが。
「…リリスは、優しいですね」
優しい…と言うか。
僕に甘い。
多分、僕を望まずに不死身の身体にしてしまったという、負い目があるからだろうけど。
気持ちは嬉しいが、そんなに甘やかしてくれる必要はないのだ。
「…でも僕、もう嫌なんです。役に立たないとか言われるのも、思われるのも」
「…ナジュ君…」
「その為には努力しなくちゃいけない。足を止めちゃいけない。僕は元々敵側の人間だった。一度信頼を失ったら、取り戻すのは大変なんです」
「…」
あいつ頼りにならないな、とか。
役に立たないな、とか。
肉の壁になるしか能がない、とか。
そんな風に思われるのは、あまりに悲しいじゃないか。
「だけど…ナジュ君。あれは…危ないよ。前だって…」
「ねぇ、リリス」
あなたが悲しむ顔は見たくない。
でも僕にも、譲れないものがある。
「誰かに信頼されてないと、僕は…また、一人ぼっちだったときのことを思い出すんです」
誰にも頼れなくて、誰からも頼りにされなくて。
一人ぼっちで、ただ死に場所を求めて、狂ったように彷徨っていた日々のことを。
あんな思いは、もう二度としたくない。
あんな思いをしない為に、僕は強くならなければならない。
「ナジュ君…」
「だから、止めないでください。大丈夫ですよ、僕は…ちゃんと出来ますから」
「…無理はしないで。お願いだから、無理はしないでね」
「分かってますよ」
僕はリリスに微笑んでみせたが。
リリスは、笑わなかった。


