そして、この日。
その作戦が、ついに功を奏そうとしていた。
「…あ、やば」
仮面を剥がされる…もとい、
仮面に穴を空けられると察したらしいすぐりさんが、顔色を変えた。
「…ねー、ところでさぁナジュせんせー」
「…何ですか?」
「ナジュせんせーの恋人って、実は不細工だったりするの?」
何のことはない。
僕の集中力を逸らそうとしているだけだ。
その程度で、僕が動揺とするでも思ったか。
…内心ちょっと動揺したが。
「実は超美人ですよ…。見せてあげられないのが残念です」
「そんなに?ツキナより可愛かったりする?」
「そりゃあリリスの美しさと来たら、もう、一度見たら、ツキナさんレベルで可愛いと思ってた、自分の目の節穴さを呪いたくなるくらいです」
「えー、そんなに美人なんだ…」
この程度の会話で、僕は揺るがないぞ。
まぁちょっとは揺らいだが、相変わらず、心の蓋の隙間を捉えて離さない。
「うーん、駄目か…。じゃあさー」
「何ですか」
「そのリリスって人が、もし内心『実はシルナ学院長の方がタイプなんだけどな…』とか思ってたら、どうする?」
僕の心を揺さぶりたくて必死なようだな。
本当に揺さぶられるからやめてくれ。
だが、残念だったな。
相思相愛の僕達に、そんなことは有り得ない。
そしてもし、万に一、いや、億に一、そんなことが有り得たとしたら。
「シルナ学院長の方がタイプなら、僕も学院長みたいになります。全力で努力して、シルナ学院長より好きになってもらえるように変わります」
「えー。じゃあ、頑張って学院長みたいになったのに、今度は『やっぱり羽久せんせーみたいな人の方が好みだな~』って言われたら?」
「そのときは羽久さんにクラスチェンジします。リリスの好みが何百回何千回変わろうと、その度に僕は、彼女が好きになってくれる僕に変わります」
「…恐ろしいほどに一途なんだね、君…」
何のことはない。
不死身の身体で、死ぬ方法を探していた日々に比べれば。
そうだ。
全部全部、どんな努力も苦労も。
あの日々に比べれば、楽園みたいなものだ。
だから。
「あっ、やば」
「…見つけた」
すぐりさんの、心の仮面の向こう側。
深淵の先にあるものを、僕は見つけた。
その作戦が、ついに功を奏そうとしていた。
「…あ、やば」
仮面を剥がされる…もとい、
仮面に穴を空けられると察したらしいすぐりさんが、顔色を変えた。
「…ねー、ところでさぁナジュせんせー」
「…何ですか?」
「ナジュせんせーの恋人って、実は不細工だったりするの?」
何のことはない。
僕の集中力を逸らそうとしているだけだ。
その程度で、僕が動揺とするでも思ったか。
…内心ちょっと動揺したが。
「実は超美人ですよ…。見せてあげられないのが残念です」
「そんなに?ツキナより可愛かったりする?」
「そりゃあリリスの美しさと来たら、もう、一度見たら、ツキナさんレベルで可愛いと思ってた、自分の目の節穴さを呪いたくなるくらいです」
「えー、そんなに美人なんだ…」
この程度の会話で、僕は揺るがないぞ。
まぁちょっとは揺らいだが、相変わらず、心の蓋の隙間を捉えて離さない。
「うーん、駄目か…。じゃあさー」
「何ですか」
「そのリリスって人が、もし内心『実はシルナ学院長の方がタイプなんだけどな…』とか思ってたら、どうする?」
僕の心を揺さぶりたくて必死なようだな。
本当に揺さぶられるからやめてくれ。
だが、残念だったな。
相思相愛の僕達に、そんなことは有り得ない。
そしてもし、万に一、いや、億に一、そんなことが有り得たとしたら。
「シルナ学院長の方がタイプなら、僕も学院長みたいになります。全力で努力して、シルナ学院長より好きになってもらえるように変わります」
「えー。じゃあ、頑張って学院長みたいになったのに、今度は『やっぱり羽久せんせーみたいな人の方が好みだな~』って言われたら?」
「そのときは羽久さんにクラスチェンジします。リリスの好みが何百回何千回変わろうと、その度に僕は、彼女が好きになってくれる僕に変わります」
「…恐ろしいほどに一途なんだね、君…」
何のことはない。
不死身の身体で、死ぬ方法を探していた日々に比べれば。
そうだ。
全部全部、どんな努力も苦労も。
あの日々に比べれば、楽園みたいなものだ。
だから。
「あっ、やば」
「…見つけた」
すぐりさんの、心の仮面の向こう側。
深淵の先にあるものを、僕は見つけた。


