「あいつ何処行ったんだ?」
職員室でも、あんまり姿を見ないんだよな。
姿を見ても、何となくよそよそしいと言うか…大人しいと言うか…。
「また、稽古場で生徒達に愛想振り撒いてるんじゃないんですか?」
と、相変わらず辛辣なイレース。
その可能性はあるな。
何せ、そのイケメンぶりで、シルナから学校一の人気教師の座を奪い取った男だからな。
またしても稽古場で、生徒達に実技の補習を行っているのかもしれない。
すると。
「不死身先生なら、多分『八千歳』と一緒にいるんじゃない?」
もぐもぐと、芋菓子…ならぬ、スイートポテトを食べながら。
令月が、そう教えてくれた。
「すぐりと…?何で?」
「なんか、『八千歳』と不死身先生が共謀して、毎日良からぬことを企ててるみたいだから」
何だと?
「何してんの?あいつら…」
あまり性格が良いとは言えない二人だから、つるんで欲しくないんだが?
「さぁ、そこまでは聞いてないけど…。『八千歳』がたまに変なこと聞いてくるから」
「変なこと?」
「王子様になるにはどうしたら良いか、とか…」
「…??」
あいつら、本当に何をしてんの?
国家設立でも目論んでるのか?
放置しておいて大丈夫なんだろうか。
「シルナ、ナジュが何やってるか聞き、」
と、言おうとしたそのとき。
「学院長先生~。お邪魔しまーす」
「こんにちはー」
女子生徒が二人、学院長室を訪ねてきた。
あれは確か、四年生の生徒だったか。
「あれっ、二人共どうしたの?」
「お菓子もらいに来ました~」
「おやつくださ~い」
半分冗談めかして、二人が言った。
普通の学院なら、放課後に生徒が学院長の部屋を訪ね、おやつをねだるなんて有り得ない光景だろう。
しかし、我がイーニシュフェルト魔導学院では。
シルナは、目を輝かせて。
「よく来たね君達!良いところに!今日のおやつはね~、スイートポテトだよ~。ほらほら座って座って」
この待遇だもんなぁ。
「飲み物は何にする?何が良い?」
「私はココアで!」
「私はオレンジジュースが良いです」
「は~い、ちょっと待っててね~!」
いそいそと、生徒達の飲み物を用意しに行くシルナ。
…うちは、これだからな。
最初の頃は、こんなこととんでもないと憤慨していたイレースも。
「あなた達、課題は終わってるんでしょうね?」
「は~い」
「終わらせてきました~」
「それなら良いですけど…。全く…」
やれやれ、と諦め顔。
何度言っても、聞く耳を持つシルナではないし。
これがイーニシュフェルト流と言い張るのだから、もう諦めもするというもの。
ごめんな、イレース。
「はーい持ってきたよ~!イレースちゃんにもほら!羽久にも!」
生徒達の分のみならず、俺達の分までしっかり持ってきてるしさ。
「令月君、お茶おかわりどうぞ」
「どうも」
令月にはおかわりまで。
「…全く…」
満面の笑みで、生徒達とスイートポテトを頬張るシルナを見て。
今日も深々と溜め息をつく、イレースなのだった。
…そのときには。
この騒動のせいで、俺はもう、ナジュのことを忘れてしまっていた。
このとき、俺がちゃんと、ナジュのことを気にかけていれば。
職員室でも、あんまり姿を見ないんだよな。
姿を見ても、何となくよそよそしいと言うか…大人しいと言うか…。
「また、稽古場で生徒達に愛想振り撒いてるんじゃないんですか?」
と、相変わらず辛辣なイレース。
その可能性はあるな。
何せ、そのイケメンぶりで、シルナから学校一の人気教師の座を奪い取った男だからな。
またしても稽古場で、生徒達に実技の補習を行っているのかもしれない。
すると。
「不死身先生なら、多分『八千歳』と一緒にいるんじゃない?」
もぐもぐと、芋菓子…ならぬ、スイートポテトを食べながら。
令月が、そう教えてくれた。
「すぐりと…?何で?」
「なんか、『八千歳』と不死身先生が共謀して、毎日良からぬことを企ててるみたいだから」
何だと?
「何してんの?あいつら…」
あまり性格が良いとは言えない二人だから、つるんで欲しくないんだが?
「さぁ、そこまでは聞いてないけど…。『八千歳』がたまに変なこと聞いてくるから」
「変なこと?」
「王子様になるにはどうしたら良いか、とか…」
「…??」
あいつら、本当に何をしてんの?
国家設立でも目論んでるのか?
放置しておいて大丈夫なんだろうか。
「シルナ、ナジュが何やってるか聞き、」
と、言おうとしたそのとき。
「学院長先生~。お邪魔しまーす」
「こんにちはー」
女子生徒が二人、学院長室を訪ねてきた。
あれは確か、四年生の生徒だったか。
「あれっ、二人共どうしたの?」
「お菓子もらいに来ました~」
「おやつくださ~い」
半分冗談めかして、二人が言った。
普通の学院なら、放課後に生徒が学院長の部屋を訪ね、おやつをねだるなんて有り得ない光景だろう。
しかし、我がイーニシュフェルト魔導学院では。
シルナは、目を輝かせて。
「よく来たね君達!良いところに!今日のおやつはね~、スイートポテトだよ~。ほらほら座って座って」
この待遇だもんなぁ。
「飲み物は何にする?何が良い?」
「私はココアで!」
「私はオレンジジュースが良いです」
「は~い、ちょっと待っててね~!」
いそいそと、生徒達の飲み物を用意しに行くシルナ。
…うちは、これだからな。
最初の頃は、こんなこととんでもないと憤慨していたイレースも。
「あなた達、課題は終わってるんでしょうね?」
「は~い」
「終わらせてきました~」
「それなら良いですけど…。全く…」
やれやれ、と諦め顔。
何度言っても、聞く耳を持つシルナではないし。
これがイーニシュフェルト流と言い張るのだから、もう諦めもするというもの。
ごめんな、イレース。
「はーい持ってきたよ~!イレースちゃんにもほら!羽久にも!」
生徒達の分のみならず、俺達の分までしっかり持ってきてるしさ。
「令月君、お茶おかわりどうぞ」
「どうも」
令月にはおかわりまで。
「…全く…」
満面の笑みで、生徒達とスイートポテトを頬張るシルナを見て。
今日も深々と溜め息をつく、イレースなのだった。
…そのときには。
この騒動のせいで、俺はもう、ナジュのことを忘れてしまっていた。
このとき、俺がちゃんと、ナジュのことを気にかけていれば。


