神殺しのクロノスタシス3

──────…その頃。

学院長室では。





「はくちゅっ」

「…」

良い歳したおっさんが、無駄に可愛いくしゃみをするな気持ち悪い。

「あれ~…。風邪かなぁ…」

誰かが噂してんじゃねぇの?

学院長のことなんかどうでも良いわ、とか。

「それより羽久~。今日のおやつはな~んだ!」

「知らないし…何でも良いよ…」

「じゃーん!今日はスイートポテトだよ~」

あっそ。

「珍しいな。またチョコ系の何かだと思ってたよ」

こいつのチョコ好きは異常だからな。

前世カカオ豆だったんじゃね?ってくらい。

チョコケーキ、チョコアイス、チョコクッキー、チョコプリン等々…。

そんなシルナが、今日は芋とは。

どういう風の吹き回しだ。

「今日は何だかね…スイートポテトにこう…呼ばれた気がしたんだよ!分かる?こう、ビビッ!とね、電流が走るかのごとく…。スイートポテトが私を呼んでたんだ」

中二病かよ。

ただお前が食べたかっただけだろ。どういう言い訳してんだ。

「そんな訳でスイートポテト食べよ!はいっ、羽久の分」

そして、何でわざわざ毎回俺の分を買ってくるんだ。

すると、そこに。

「学院長。先日の魔導教育委員会会議での資料を…」

タイミング良く(悪く?)イレースがやって来た。

「おっとイレースちゃん!良いところに!」

「…何ですか」

ジト目のイレース。

どうせまた下らないことでしょう、とでも言いたそうな顔。

安心しろ。その通りだ。

「今日のおやつはスイートポテトなんだよ!今日買ってきたの!」

「あぁそうですか良かったですねーはいはい。で、これ資料なんで、目を通しておいてください。それじゃ」

「イレースちゃん相手してぇぇぇぇ!」

どうでも良いわとばかりに、資料を置いて立ち去ろうとするイレースに。

シルナは、必死にしがみついていた。

あー見苦しい。

「イレースちゃんの分もあるんだよ!ほら!ナジュ君の分も!令月君の分も!その他大勢の分も!」

シルナは、LLサイズのケーキボックスを出してきた。

でかっ。

あれ、シルナ専用だろ。

まさか買い占めてきたのか?

「馬鹿なんですかあなたは…」

ドン引きのイレース。

「美味しいね芋菓子」

「令月君…。スイートポテト、スイートポテトだからね」

放課後学習会の傍ら、もぐもぐとスイートポテトを頬張る令月。

芋菓子って。

そりゃ芋菓子だけれども。

「皆の分あるんだから!皆食べてくれなきゃ困るよ!」

「あぁもう…。私は忙しいんですよ」

「お願いだから~!」

子供か。

こいつ、いちいち他人の分まで用意してくるから…。

…ん?

「…そういえば、最近ナジュいないな」

「…確かに、そうですね」

これまでは、呼んでもないのに学院長室にやって来ては。

シルナの秘蔵の菓子を摘まんだり、お得意の読心魔法で人の心を読んでからかってはと、放課後をエンジョイしていたが。

近頃、姿を見なくなった。