神殺しのクロノスタシス3

全く、嫌な質問だよ。

僕は恋人とデートに行きたくたって、精神世界でしか会えないって言うのにさ。

何処にでも好きなところ、デートにでも何でも行ってしまえ。

しかし、最近の若い子はどんなところにデートしに行くんだろうなぁ。

海とか?映画とか?遊園地とか?

それはもう古いのだろうか。

今時のナウなヤング達は、僕が考え付かない場所に行きたがるのかもしれない。

「えー?彼氏がいたら?えへへ、う~んと…」

ちょっと照れながら。

「二人で一緒に、二人だけの秘密のお花畑に行きたいです!」

「…」

「…」

…満面の笑みで答えてくれて、どうもありがとうございます。

ところでツキナさん。

後ろで、膝をついたすぐりさんが、さつまいもの苗と一緒に土に埋まりかけてますよ。

成程…。今時のナウなヤング凄いな…。

まさかお花畑にデートとは…。それも、二人だけの秘密の…。

もしかして嘘をついてるんじゃないかと、一応ツキナさんの心の中を覗いてみる。

しかし、予想通り。

嘘ではなかった。

ツキナさんのイメージでは、二人だけが知っている秘密場所があって、そこには色んな種類の花が咲き乱れていて。

さらさらと水の綺麗な小川が流れていて、二人でそこに腰掛けている。

そんなデートシーン。

いつの時代の少女漫画ですか?

「何するんですか?お花畑で…」

「え~?それは…。お喋りしたり、内緒話をこっそり教え合ったり…」

照れるな。

「二人で花の輪っか作って、交換し合うんです!ロマンチックでしょ?」

頭の中までお花畑だということは、よく分かった。

「まぁ、ロマンチックですね…」

今時そんなの何処でやるんだよ、ってくらいロマンチック…。

で、それを一緒にやるのは白馬の王子様なんでしょ?

すぐりさん、あなたの恋大丈夫?

成就するプランが、今のところ全く見えてないですけど。

「そんなデートがしたいです!」

「そうですか…。うん…。頑張ってくださいね…」

「はい!」

あー、良かった。僕の恋人は精神世界でのデートで満足してくれて。

白馬の王子で秘密のお花畑なんて、冗談じゃないよ全く。