神殺しのクロノスタシス3

「そりゃ気にしますよー。あの人、まだ完全に寝返ったとは限らないじゃないですか」

…と、言ってみる。

「僕の読心魔法を謀ったという『前科』がありますし。要注意だと思うんですけどね僕は」

「あぁ…。まぁ、でももう大丈夫だろ。自爆テロまでしようとして、失敗したくらいなんだし」

知ってる。

すぐりさんは、もう完全にこちら側についた。

それは分かってる。

彼の心を覗けば、一目瞭然だ。

以前…彼が心に仮面をつけていたとき感じていた違和感が、完全になくなってるから。

「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。すぐり君は、ちゃんとうちの生徒だよ」

と、学院長もほんわか顔。

…そういえば、あなただけは僕を責める気持ちが、心の何処にもありませんでしたね。

今はどうなんだろう。

彼らが僕をどう思ってるのか怖くて、心を覗くことが出来ない。

「まぁそれなら良いんですけど…」

全然良くないが、口ではそう言っておく。

「ともあれ、ちょっとすぐりさんの様子を見てきます」

「え、今からか?」

「はい!仲良し生徒がイチャイチャ畑仕事してるところに、水差してきますね!」

「…お前は最低だな…」

何とか、適当に誤魔化しきった。

そう、僕は最低だよ。

だから少しでも最低から抜け出そうと、僕だって必死なんだ、これでも。