「七年間土の中で寝て過ごして、地上に出てきたセミって…こんな気持ちなんですかね…」
「…帰ってきたと思ったら、悟った顔でなんか言ってるぞ、シルナ」
「う、うん…。とにかく、戻ってきてくれて良かった。お帰り、ナジュ君」
「ただいま」
ようやく、お馴染みの学院長室に戻ってくることが出来た。
医務室はもう良い。もう当分良い。
「ちゃんと内臓しまってきたか?」
「完璧ですよ!一時は肝臓がはみ出して大変だったこともありますが」
「…」
何だ、その微妙な顔は。
今は無事に内臓収納してきたんだから、それで良いだろう。
「戻ってきたからには、私達が代わっていた分の授業担当は、またあなたに戻しますよ」
と、イレースさん。
帰ってきた瞬間に仕事を割り振る、その容赦のなさは相変わらず。
いつもなら、うげーとなるところだが。
今回は。
「はい、これ引き継ぎの資料です。精々一週間なので、大したことはしてませんが」
「了解です」
教職くらいは真面目にやらないと、本当にお前、何の為にここにいるの?って感じだから。
真面目にやろう。
それより。
「…放課後学習会、相変わらず令月さん一人なんですね」
「うん」
放課後に学院長室に来て、これまでの不足分の勉強を行う、通称放課後学習会。
令月さんとすぐりさんが和解したらしいから、今はもう、一緒にやってるものと思っていたが。
相変わらず、令月さん一人しかいない。
もう一人は何処だ。
「すぐりさんは?サボりですか?」
「さぼ…。一応課題を渡したらやってはくれるから、サボりではないけど」
「じゃあ、どちらに?」
「園芸部のところにいるよ」
と、令月さん。
「ほう?」
園芸部だと?
「あの人、園芸部に入ったんですか」
「うん、なんか好きな女の子に誘われたんだって。一緒に大根育てようって」
何それ。青春。
「良いですねぇ、青春っぽくて…。好きな女の子と…。うん、僕はアリだと思いますよ」
ただ、大根である必要はないと思う。
そして、園芸部である必要もない。
何だろう。その女の子、園芸好きなんだろうか。
「すぐりさん、畑仕事とかしたことあるんですかねぇ」
「ないと思うなー」
元暗殺者だもんね。
元暗殺者が畑で大根作り。シュールな絵面だなぁ。
まぁ。
元『カタストロフィ』のメンバーが、イーニシュフェルトで教師やってるような時代だからな。
元暗殺者が、畑で好きな女の子と大根育ててても、おかしくはない。
おかしいけど。
ま、世の中、何が起きるか分からないってことで。
「じゃ、すぐりさんは学院長室には来ないと?」
「来ないと思うよ。この一週間、ずっと園芸部の方に入り浸りみたいだし」
好きな女の子と、片時も離れたくない。分かります、その気持ち。
痛いほど分かります。
「成程、そうですか」
「…お前、何でそんなにすぐりのこと気にしてるんだ?」
…ぎく。
…羽久さん、あなた鋭いこと聞きますね。
「…帰ってきたと思ったら、悟った顔でなんか言ってるぞ、シルナ」
「う、うん…。とにかく、戻ってきてくれて良かった。お帰り、ナジュ君」
「ただいま」
ようやく、お馴染みの学院長室に戻ってくることが出来た。
医務室はもう良い。もう当分良い。
「ちゃんと内臓しまってきたか?」
「完璧ですよ!一時は肝臓がはみ出して大変だったこともありますが」
「…」
何だ、その微妙な顔は。
今は無事に内臓収納してきたんだから、それで良いだろう。
「戻ってきたからには、私達が代わっていた分の授業担当は、またあなたに戻しますよ」
と、イレースさん。
帰ってきた瞬間に仕事を割り振る、その容赦のなさは相変わらず。
いつもなら、うげーとなるところだが。
今回は。
「はい、これ引き継ぎの資料です。精々一週間なので、大したことはしてませんが」
「了解です」
教職くらいは真面目にやらないと、本当にお前、何の為にここにいるの?って感じだから。
真面目にやろう。
それより。
「…放課後学習会、相変わらず令月さん一人なんですね」
「うん」
放課後に学院長室に来て、これまでの不足分の勉強を行う、通称放課後学習会。
令月さんとすぐりさんが和解したらしいから、今はもう、一緒にやってるものと思っていたが。
相変わらず、令月さん一人しかいない。
もう一人は何処だ。
「すぐりさんは?サボりですか?」
「さぼ…。一応課題を渡したらやってはくれるから、サボりではないけど」
「じゃあ、どちらに?」
「園芸部のところにいるよ」
と、令月さん。
「ほう?」
園芸部だと?
「あの人、園芸部に入ったんですか」
「うん、なんか好きな女の子に誘われたんだって。一緒に大根育てようって」
何それ。青春。
「良いですねぇ、青春っぽくて…。好きな女の子と…。うん、僕はアリだと思いますよ」
ただ、大根である必要はないと思う。
そして、園芸部である必要もない。
何だろう。その女の子、園芸好きなんだろうか。
「すぐりさん、畑仕事とかしたことあるんですかねぇ」
「ないと思うなー」
元暗殺者だもんね。
元暗殺者が畑で大根作り。シュールな絵面だなぁ。
まぁ。
元『カタストロフィ』のメンバーが、イーニシュフェルトで教師やってるような時代だからな。
元暗殺者が、畑で好きな女の子と大根育ててても、おかしくはない。
おかしいけど。
ま、世の中、何が起きるか分からないってことで。
「じゃ、すぐりさんは学院長室には来ないと?」
「来ないと思うよ。この一週間、ずっと園芸部の方に入り浸りみたいだし」
好きな女の子と、片時も離れたくない。分かります、その気持ち。
痛いほど分かります。
「成程、そうですか」
「…お前、何でそんなにすぐりのこと気にしてるんだ?」
…ぎく。
…羽久さん、あなた鋭いこと聞きますね。


