「ヴァルシーナのときからそう。すぐりさんのときもそう。心につけた仮面は、完璧なものじゃなかった」
「…ナジュ君…」
違和感はあったのだ。
透明なはずの水面を覗いても、水底が見えない違和感。
何かおかしい、いつもと違う。
それは分かっていた。分かっていたのに…。
僕は、そこを追及することなく、みすみす見逃し、挙げ句こんな結果になった。
僕があの違和感の正体を、ちゃんと探っていれば。
心の仮面の…その隙間に、気づけたかもしれないのに。
僕の怠慢だった。
自分の読心魔法は完璧だと、無意識にたかを括っていた。
その結果が、これだ。
「…このままじゃ僕は、自分を許せない」
僕が役に立つのは、肉の壁と、それから読心魔法だけ。
その読心魔法に欠陥があると見つかって、僕の信頼はだだ下がりだ。
僕は努力を怠っていた。
そのせいで、信頼を失った。
失った信頼を取り戻すには、これまで以上の努力をしなければならない。
ちょっと手習いで覚えた、小手先の空間魔法とか、そんなんじゃなくて。
もっと、自分の長所を磨くのだ。
不死身は、もうこれ以上どうにも出来ない、変えることは出来ないから。
今度は、読心魔法の方を。
「ナジュ君は…このままで良いんだよ。もう充分頑張ってるよ」
「…ありがとうございます」
リリスは、優しいからそう言ってくれる。
でも現実は、そんなに優しくない。
すぐりさんが心に仮面をつけ、僕の読心魔法を謀ることが出来たのだから。
今度戦うことになるかもしれない、『アメノミコト』の構成員。
確か、『終日組』だったか。
そのメンバーは、多分僕の読心魔法の欠点を共有していると思っていた方が良い。
すぐりさんが出来たことを、他の暗殺者が出来ないはずがない。
きっと、僕の読心魔法の対策をして、臨んでくるはずだ。
だったら。
そのときに、また役立たずだと思われたくない。
「僕、頑張りますから。応援してください」
「ナジュ君…」
「そんな顔しないでくださいよ。大丈夫ですから」
リリスは心配性だ。
リリスは優しい。
それは嬉しいし、有り難いけど。
僕はもっと、自分の存在価値を証明しなければならないのだ。
「…無理しないでね、お願いだから」
「分かってますよ」
もう二度と、役立たずなんて言われたくない。
その為に僕は、もっと頑張らなければならないのだ。
「…ナジュ君…」
違和感はあったのだ。
透明なはずの水面を覗いても、水底が見えない違和感。
何かおかしい、いつもと違う。
それは分かっていた。分かっていたのに…。
僕は、そこを追及することなく、みすみす見逃し、挙げ句こんな結果になった。
僕があの違和感の正体を、ちゃんと探っていれば。
心の仮面の…その隙間に、気づけたかもしれないのに。
僕の怠慢だった。
自分の読心魔法は完璧だと、無意識にたかを括っていた。
その結果が、これだ。
「…このままじゃ僕は、自分を許せない」
僕が役に立つのは、肉の壁と、それから読心魔法だけ。
その読心魔法に欠陥があると見つかって、僕の信頼はだだ下がりだ。
僕は努力を怠っていた。
そのせいで、信頼を失った。
失った信頼を取り戻すには、これまで以上の努力をしなければならない。
ちょっと手習いで覚えた、小手先の空間魔法とか、そんなんじゃなくて。
もっと、自分の長所を磨くのだ。
不死身は、もうこれ以上どうにも出来ない、変えることは出来ないから。
今度は、読心魔法の方を。
「ナジュ君は…このままで良いんだよ。もう充分頑張ってるよ」
「…ありがとうございます」
リリスは、優しいからそう言ってくれる。
でも現実は、そんなに優しくない。
すぐりさんが心に仮面をつけ、僕の読心魔法を謀ることが出来たのだから。
今度戦うことになるかもしれない、『アメノミコト』の構成員。
確か、『終日組』だったか。
そのメンバーは、多分僕の読心魔法の欠点を共有していると思っていた方が良い。
すぐりさんが出来たことを、他の暗殺者が出来ないはずがない。
きっと、僕の読心魔法の対策をして、臨んでくるはずだ。
だったら。
そのときに、また役立たずだと思われたくない。
「僕、頑張りますから。応援してください」
「ナジュ君…」
「そんな顔しないでくださいよ。大丈夫ですから」
リリスは心配性だ。
リリスは優しい。
それは嬉しいし、有り難いけど。
僕はもっと、自分の存在価値を証明しなければならないのだ。
「…無理しないでね、お願いだから」
「分かってますよ」
もう二度と、役立たずなんて言われたくない。
その為に僕は、もっと頑張らなければならないのだ。


