…僕だって。
ずる休みは嫌いじゃない。
教師のゴールデンウィークだと思えば、こうしてダラダラ過ごすのも悪くない。
だが。
今ばかりは、素直に休息を楽しめる気分ではない。
むしろ授業に出て、自分の気を逸らしてくれるものが欲しかった。
そうしないと、嫌でも考えてしまう。
…自分の、無力さというものを。
数日前、花曇すぐりに言われた言葉が、今でも頭に残っている。
慢心、だと。
あの言葉が、頭に突き刺さって離れない。
その通りだと思ったからだ。
そう、僕は自分の力に、能力に、慢心していた。
どうせ僕は不死身だから。死にはしないから大丈夫だと。
そりゃ確かにそうなんだけど。
問題は、読心魔法の方だ。
花曇すぐりによって、僕の読心魔法の弱点が、いくつも明らかになった。
自覚している弱点と、自覚していない弱点の両方が。
自覚している弱点の方はと言うと。
まず、相手の目を見ないと心を読めないという点。
読心魔法という性質上、これはやむを得ないことだ。
だからああやって、目を閉じられたり、背中を向けられたり。
僕の視界から外れた位置に立たれると、相手の心を読むことは出来ない。
知られてしまえば、対策は簡単だ。
何なら、厚いサングラスやアイマスクをつけられるだけで、読心魔法は簡単に無効化されてしまう。
この弱点は自覚していたから、自分から喋ったことはない。
だが、少し調べれば分かるはずだ。
僕が読心魔法を使っているときの状況を、冷静に分析すれば。
それに、一度に心を読める相手は一人だけ、という弱点も。
これも自覚していた。
僕は同時に、複数人の心を読むことが出来ない。
目を合わせてないと読めないから、当然なのだが。
あくまで目の前にいる人間、一人ずつしか読むことが出来ない。
…あの『玉響』という少年を、みすみす死なせてしまったのは、そのせいだ。
僕は誰にも、口には出さなかったが。
『玉響』さんが死んでしまったのは、僕のせいだと思っている。
何の為に、僕があの場にいたと思ってるのだ。
僕はあのとき、ずっと『玉響』さんの心を読むことに集中していた。
彼が本当に改心しているのか、彼が本当に寝返るつもりになったのか、そればかりを気にしていた。
『玉響』さんは、本当にこちら側につくつもりでいた。
暗殺稼業から足を洗い、光の方に歩き出そうとしていた。
だが、花曇すぐりが、それを阻んだ。
じゃあ、『玉響』さんが死んだのは、すぐりさんのせいか?
違う。
あれは、僕のせいだ。
ずる休みは嫌いじゃない。
教師のゴールデンウィークだと思えば、こうしてダラダラ過ごすのも悪くない。
だが。
今ばかりは、素直に休息を楽しめる気分ではない。
むしろ授業に出て、自分の気を逸らしてくれるものが欲しかった。
そうしないと、嫌でも考えてしまう。
…自分の、無力さというものを。
数日前、花曇すぐりに言われた言葉が、今でも頭に残っている。
慢心、だと。
あの言葉が、頭に突き刺さって離れない。
その通りだと思ったからだ。
そう、僕は自分の力に、能力に、慢心していた。
どうせ僕は不死身だから。死にはしないから大丈夫だと。
そりゃ確かにそうなんだけど。
問題は、読心魔法の方だ。
花曇すぐりによって、僕の読心魔法の弱点が、いくつも明らかになった。
自覚している弱点と、自覚していない弱点の両方が。
自覚している弱点の方はと言うと。
まず、相手の目を見ないと心を読めないという点。
読心魔法という性質上、これはやむを得ないことだ。
だからああやって、目を閉じられたり、背中を向けられたり。
僕の視界から外れた位置に立たれると、相手の心を読むことは出来ない。
知られてしまえば、対策は簡単だ。
何なら、厚いサングラスやアイマスクをつけられるだけで、読心魔法は簡単に無効化されてしまう。
この弱点は自覚していたから、自分から喋ったことはない。
だが、少し調べれば分かるはずだ。
僕が読心魔法を使っているときの状況を、冷静に分析すれば。
それに、一度に心を読める相手は一人だけ、という弱点も。
これも自覚していた。
僕は同時に、複数人の心を読むことが出来ない。
目を合わせてないと読めないから、当然なのだが。
あくまで目の前にいる人間、一人ずつしか読むことが出来ない。
…あの『玉響』という少年を、みすみす死なせてしまったのは、そのせいだ。
僕は誰にも、口には出さなかったが。
『玉響』さんが死んでしまったのは、僕のせいだと思っている。
何の為に、僕があの場にいたと思ってるのだ。
僕はあのとき、ずっと『玉響』さんの心を読むことに集中していた。
彼が本当に改心しているのか、彼が本当に寝返るつもりになったのか、そればかりを気にしていた。
『玉響』さんは、本当にこちら側につくつもりでいた。
暗殺稼業から足を洗い、光の方に歩き出そうとしていた。
だが、花曇すぐりが、それを阻んだ。
じゃあ、『玉響』さんが死んだのは、すぐりさんのせいか?
違う。
あれは、僕のせいだ。


