…何だろう。
今まで自分がずっと不死身で、身体の傷とか労られたことがないせいか。
いきなり、「大人しく寝てさなさい」と言われると。
何と言うか…物凄く、こう。
フラストレーションを、感じる。
「…あのですねぇ」
僕は上半身を起こして、肘をついて言った。
「か弱いお姫様じゃないんですよ?ぶん投げようが切り裂かれようが毒飲まされようが、けろっと再生する不死身の身体!死にたくても死ねない身体!」
「うん、知ってる」
「そんな人間が、ほんのちょっとミンチにされて、ほんのちょっと爆弾ゼロ距離で食らって、ほんのちょっと致死性の毒を浴びたからって、何で何日も大人しくしてなきゃならないんですか?」
「だってそれ全部、普通の人だったら死んでるもん」
そりゃそうだけど。
「でも僕は死にませんから」
「死ぬとか死なないとか関係ない。怪我人と病人は、大人しくしてるのが仕事でしょ」
「だから、か弱いお姫様じゃないんだから…。このくらい平気ですよ。今までだって、内臓はみ出したまま授業やってたことだってあるし…」
「残念だったね。僕がイーニシュフェルト魔導学院の保険医になったからには、そんな勝手は許さないから」
にっこり笑顔の天音さん。
…こんなに威圧感を感じる笑顔も、なかなかない。
「それに、羽久さんからも頼まれてるしね」
「羽久さん…?」
「『あの馬鹿、完治するまで絶対医務室から出すなよ。何回言っても肉壁になりやがってあの馬鹿。罰だ』って」
「…うわぁ…」
陰湿。
そういう陰湿なことすると、嫌われるよ?
「皆して大袈裟な…。多少、いや…死ぬほど無理したって、死ぬ身体じゃないのに…」
死ぬほど無理しただけで死ねるなら、こんなに苦労してないよ。
伊達に何百年も、不死身の身体で生きてる訳じゃない。
それなのに、今更こんなに過保護にされても…。
「…何で、そんなに早く戻りたいの?」
と、天音さん。
何で、って…。
「授業なら、イレースさんや学院長の分身さん、羽久さん達が代わってくれてるんでしょ?」
「それはそうですけど…。でも悪いじゃないですか、あの人達も暇な訳じゃないのに、こう何日も代わってもらうの…」
「…そんな殊勝なこと考える人だったんだ…」
「…ひっど…」
僕だって、ちゃんとイーニシュフェルト魔導学院の教師としての自覚がね?
同僚に迷惑をかけるのは悪いという気持ちが、多少なりともあるんだって、分かってもらいたいところだ。
「それにほら、僕を待ってる生徒がいるんですよ。僕、イーニシュフェルトでも随一の人気教師ですから」
「はいはい、そういうのは良いからねー」
話聞いてよ。
僕が何日も寝てる間に、僕の株が下落したらどう責任取ってくれるんだ。
最悪忘れられ…はしないと思うけど
…って。まぁ。
それは、建前だ。
「不死身なのに寝てたら、ずる休みしてる気がする…」
「良いじゃない、たまにはずる休みも」
イレースさんが聞いたら、激怒しそうな言葉ですね。
そりゃ、僕だって。
たまにはずる休みも良いとは思うけど。
でも、そうじゃない。
そうじゃないのだ。
「分かった。じゃあ大人しくしてますから。授業には出ませんから。代わりに自分の部屋で休ませ、」
「ごめんね。完治するまでは絶対医務室から出すな、って上司から命令されてるから」
「…最低な上司ですよ、本当…」
こうなっては、最早為す術なし。
僕は、諦めて枕に頭を預けた。
それを見て、天音さんは満足そうに微笑んだ。
ドS系養護教諭、天音さん爆誕だよ。全く。
今まで自分がずっと不死身で、身体の傷とか労られたことがないせいか。
いきなり、「大人しく寝てさなさい」と言われると。
何と言うか…物凄く、こう。
フラストレーションを、感じる。
「…あのですねぇ」
僕は上半身を起こして、肘をついて言った。
「か弱いお姫様じゃないんですよ?ぶん投げようが切り裂かれようが毒飲まされようが、けろっと再生する不死身の身体!死にたくても死ねない身体!」
「うん、知ってる」
「そんな人間が、ほんのちょっとミンチにされて、ほんのちょっと爆弾ゼロ距離で食らって、ほんのちょっと致死性の毒を浴びたからって、何で何日も大人しくしてなきゃならないんですか?」
「だってそれ全部、普通の人だったら死んでるもん」
そりゃそうだけど。
「でも僕は死にませんから」
「死ぬとか死なないとか関係ない。怪我人と病人は、大人しくしてるのが仕事でしょ」
「だから、か弱いお姫様じゃないんだから…。このくらい平気ですよ。今までだって、内臓はみ出したまま授業やってたことだってあるし…」
「残念だったね。僕がイーニシュフェルト魔導学院の保険医になったからには、そんな勝手は許さないから」
にっこり笑顔の天音さん。
…こんなに威圧感を感じる笑顔も、なかなかない。
「それに、羽久さんからも頼まれてるしね」
「羽久さん…?」
「『あの馬鹿、完治するまで絶対医務室から出すなよ。何回言っても肉壁になりやがってあの馬鹿。罰だ』って」
「…うわぁ…」
陰湿。
そういう陰湿なことすると、嫌われるよ?
「皆して大袈裟な…。多少、いや…死ぬほど無理したって、死ぬ身体じゃないのに…」
死ぬほど無理しただけで死ねるなら、こんなに苦労してないよ。
伊達に何百年も、不死身の身体で生きてる訳じゃない。
それなのに、今更こんなに過保護にされても…。
「…何で、そんなに早く戻りたいの?」
と、天音さん。
何で、って…。
「授業なら、イレースさんや学院長の分身さん、羽久さん達が代わってくれてるんでしょ?」
「それはそうですけど…。でも悪いじゃないですか、あの人達も暇な訳じゃないのに、こう何日も代わってもらうの…」
「…そんな殊勝なこと考える人だったんだ…」
「…ひっど…」
僕だって、ちゃんとイーニシュフェルト魔導学院の教師としての自覚がね?
同僚に迷惑をかけるのは悪いという気持ちが、多少なりともあるんだって、分かってもらいたいところだ。
「それにほら、僕を待ってる生徒がいるんですよ。僕、イーニシュフェルトでも随一の人気教師ですから」
「はいはい、そういうのは良いからねー」
話聞いてよ。
僕が何日も寝てる間に、僕の株が下落したらどう責任取ってくれるんだ。
最悪忘れられ…はしないと思うけど
…って。まぁ。
それは、建前だ。
「不死身なのに寝てたら、ずる休みしてる気がする…」
「良いじゃない、たまにはずる休みも」
イレースさんが聞いたら、激怒しそうな言葉ですね。
そりゃ、僕だって。
たまにはずる休みも良いとは思うけど。
でも、そうじゃない。
そうじゃないのだ。
「分かった。じゃあ大人しくしてますから。授業には出ませんから。代わりに自分の部屋で休ませ、」
「ごめんね。完治するまでは絶対医務室から出すな、って上司から命令されてるから」
「…最低な上司ですよ、本当…」
こうなっては、最早為す術なし。
僕は、諦めて枕に頭を預けた。
それを見て、天音さんは満足そうに微笑んだ。
ドS系養護教諭、天音さん爆誕だよ。全く。


