神殺しのクロノスタシス3

おー…。天音…。

よく来てくれた。

とりあえず、このミンチ肉を何とかしてくれ。

「えっ…!ど、どうしたのこれ…!?」

床一面に広がる、ナジュの残骸を見て。

天音は、絶句していた。

そりゃまぁ、誰だってそうなる。

これを無視して、「罰掃除行こっ!」だからな、あのツキナって子。

大物になるよ。

「これはまぁ…。生徒の友情を育む手伝いをしてたら…うっかり…戦車に轢かれたみたいになってしまいまして…」

「そ、そんな状況ある…!?」

…あったんだよ。

…あったんだ。

「名誉の戦死だ。せめて天音の手で弔ってやってくれ」

「死んでないですけどね…」

「と、とにかく、すぐ治すから!」

天音は、慌ててナジュに杖を向けた。

ジュクジュクと生々しい音を立てて、ナジュの細胞が増殖していった。

生で見るものじゃないな。

目、逸らしておこう。

「治りが遅い…毒が練り込まれてる」

やはり、あの爆弾。

「解毒…出来そうです?」

「初見の毒だから…。時間がかかるかもしれない」

「そうですか…。じゃあ…毒の方は気にせず身体だけ治してもらえたら…。時間さえかければ、自分で解毒出来るので…」

「良いから。毒を抜かないまま臓器を修復したって、また毒に侵されるよ」

「大丈夫です…。その都度また修復するんで…」

「駄目。良いから大人しくして」

「…」

目を逸らしていたけれど。

ちらりと天音を見たら、天音の目は真剣そのもので。

ナジュの身体を修復しながら、同時に彼の身体を侵している毒を解毒しようと、必死に頭を働かせていた。

…どうせ不死身の身体。毒に侵されようが、時間さえかければ、勝手に治るのに。

天音にとっては、そんなことは関係ないのだ。

自力で解毒するまでに、ナジュが味わうであろう苦痛を、少しでも短くする為に…。

以前にも、ナジュはミンチにされたことがあったが。

あのときは、数日がかりで回復していた。

内臓や脳みそ、はみ出したまま歩いてたもんな。

それが、今や。

天音の巧みな回復魔法のお陰で、早くも身体の修復が終わりかけていた。

早っ。

「シルナの回復魔法より強いんじゃね…?」

「えっ」

もうシルナの特技一覧から、「回復魔法」の項目を取り除こう。

「陰湿な分身魔法」だけ残しておいてやるよ。

「羽久が、私に失礼なことを考えてる気がする…!」

「事実だよ」

それから、ものの十分もしないうちに。

身体の修復は終わった。

ようやく、見られる姿になったな。

「はぁ…。死ぬかと思った…。いや、死なないんですけど…」

「天音がいてくれて良かったな」

「全くですよ…。あれだけ挽き肉にされてたら、まーた小腸はみ出したまま生活しなきゃならないところだった…」

あれな。

グロいから、マジでやめてくれ。

「よいしょ…と」

ナジュは、再生したばかりの両足で、スッと立ち上がった。

途端。

ぐらりと倒れかけ、壁に手をついた。