神殺しのクロノスタシス3

「は、ははは羽久!?なんて酷いことを!既にミンチと化しているナジュ君に、なんて酷いことを!」

「全くですよ…。明らかに食肉用にされてるのに、生徒に朗らかに無視された僕の気持ちを考え、」

「惜しかったですね。左手も再生していたら、私も踏んづけられたんですが」

「イレースちゃんまで!鬼!?」

うるせぇ。

鬼で結構だ。

「何で怒ってるんですかぁ…」

何で怒ってるか、だって?

「自分の胸に聞いてみろ!」

「胸…今、胸ないです…」

そうだったな。

仕方ない。じゃあ教えてやるよ。

「お前な、自分が不死身だからって、盾になるんじゃねぇ!不死身じゃなかったら死ぬところだったんだぞ!」

「いや…まぁ、それは…えへへ」

何を笑って誤魔化そうとしてんだ。

再生しかけてる足首、蹴っ飛ばすぞ。

すると。

「ま、まぁ羽久落ち着いて。実際、咄嗟にナジュ君が盾になってくれなかったら、令月君もすぐり君も死んでたんだよ?」

シルナが、必死にナジュを庇い始めた。

それは…確かにそうだが。

それは認める。

そこは感謝する。

ありがとうな、お前の犠牲は忘れない。

しかし、それとこれとは話が別だ。

「安易に盾になるなって言っただろ!お前の耳は竹輪か!」

「済みません…。今、鼓膜再生してるんで…。耳、ないです…」

そうかよ。

じゃあ、竹輪突き刺しておいてやるよ。

更に。

「しかも、心に仮面をつけられると読めないって、どういうことです。読心魔法にそんな弱点があったなんて、初耳ですよ」

と、イレース。

「あぁ…。それは、僕も初耳でしたね…。なんか変だな、とは…思ってたんですが…」

「全く。余計なときばかり読心魔法を乱用しておきながら、本当に必要なときは使えないんだから。救いようがないとはこのことです」

「本当それな」

一言一句同意だよ、イレース。

「ひどーい…。僕だって頑張ってるのに…。ミンチになりながら…」

「毒入りだから、食用にもならないミンチ肉ですね」

全くだ。

「ま、まぁまぁ落ち着いて?ね?ナジュ君今、身体がグロテスクで大変だから。とりあえず再生を優先させて…」

と、シルナが言っていると。

そこに。

「ナジュさんがミンチで大変って、本当ですか?」

令月に付き添われた天音が、学院長室にやって来た。