神殺しのクロノスタシス3

─────…何をしに来たんだ、あの女。

今日で本当に、ようやく人生が終わると思ったのに。

何で最後に、彼女の声を聞かなきゃならないんだ。

大体何だ。この男。

『八千代』。俺が大嫌いな、俺の憎い相手。

そんな憎い相手に、一緒に死のうと抱き締められてる。

意味が分からない。

本当に、意味が分からない。

何でこんなことになったんだ。

俺は、そんなに贅沢なことを望んだのか。

これまでの人生。

ただ、生まれてくる場所に恵まれなかったってだけで。

俺だって、幸せになる権利が与えられていたなら。

「俺は…ただ…」

ただ、一つしか望まなかったのに。

ただ一つ。

「…普通に…生きてみたかった…」

普通の人生。

普通の生活。

普通の家族、友達。

それを望むことすら、俺には許されないことだったのか?

「…すぐり君…」

ツキナが、ポツリと呟くのが聞こえた。

きっと彼女も、俺の正体を知って。

気持ち悪いと思うんだろうな。怖いと思うんだろうな。

あんな薄汚い人間と、ほんの僅かでも関わりを持った自分を責めるんだろうな。

俺だって、叶うことなら。

普通に生まれて、普通に生きて。

『八千代』とも、ツキナとも、普通に出会いたかった…。

でも、それが叶わなかったから、







「…すぐり君、罰掃除しに行こうよっ」







…は?