─────…聴取を終えて、花曇すぐりが学院長室を出ていった。
「さて、あとは私達大人で、対策を考えよう」
と、シルナ学院長。
しかし、僕の耳には、学院長の言葉は届いていなかった。
…。
…嘘は、ついていなかった。
それは確かだ。
花曇すぐりは、嘘をついていない。
別に何も隠してはいない。彼は自分が知っている、全ての情報を暴露した。
それは、心を読んだから分かる。
僕の読心魔法を前に、隠し事を出来るはずは…ない。
…と、言いたいところだが。
僕の脳裏に、一人の女の姿が蘇った。
そうだ、花曇すぐりを見る度に、僕は彼女のことを思い出していたのだ。
ヴァルシーナ・クルスという…『カタストロフィ』のリーダーだった女。
シルナ・エインリーを目の敵にしている、あの女を。
あの女を相手にしているときも、僕は同じものを感じていた。
おかしい。
何故花曇すぐりに、ヴァルシーナの姿を重ねてしまうのか…。
僕は、ちゃんと、本当に…。
「…ナジュ君?聞いてる?」
「え。あ、はい?」
いきなり学院長に話しかけられて、僕は現実に引き戻された。
全然聞いてなかった。
「だから、もし『玉響』君が学院に攻めてきたら、私達がどう動くかって分担を」
「あ、はい…。そうですね」
「ちょっと、しっかりしてくださいよ。生徒に何かあって、学院の名に泥を塗るような真似は許されませんよ」
イレースさんの叱責が飛ぶ。
「済みません、済みませんって。ちゃんと聞きますよ」
「特にあなたは、便利な読心魔法の使い手なんですから。しっかりしてもらわないと困ります」
「分かってますって。そんな怒らないでくださいよ」
そう。
僕は、便利な読心魔法の使い手。
…そのはずだ。
「さて、あとは私達大人で、対策を考えよう」
と、シルナ学院長。
しかし、僕の耳には、学院長の言葉は届いていなかった。
…。
…嘘は、ついていなかった。
それは確かだ。
花曇すぐりは、嘘をついていない。
別に何も隠してはいない。彼は自分が知っている、全ての情報を暴露した。
それは、心を読んだから分かる。
僕の読心魔法を前に、隠し事を出来るはずは…ない。
…と、言いたいところだが。
僕の脳裏に、一人の女の姿が蘇った。
そうだ、花曇すぐりを見る度に、僕は彼女のことを思い出していたのだ。
ヴァルシーナ・クルスという…『カタストロフィ』のリーダーだった女。
シルナ・エインリーを目の敵にしている、あの女を。
あの女を相手にしているときも、僕は同じものを感じていた。
おかしい。
何故花曇すぐりに、ヴァルシーナの姿を重ねてしまうのか…。
僕は、ちゃんと、本当に…。
「…ナジュ君?聞いてる?」
「え。あ、はい?」
いきなり学院長に話しかけられて、僕は現実に引き戻された。
全然聞いてなかった。
「だから、もし『玉響』君が学院に攻めてきたら、私達がどう動くかって分担を」
「あ、はい…。そうですね」
「ちょっと、しっかりしてくださいよ。生徒に何かあって、学院の名に泥を塗るような真似は許されませんよ」
イレースさんの叱責が飛ぶ。
「済みません、済みませんって。ちゃんと聞きますよ」
「特にあなたは、便利な読心魔法の使い手なんですから。しっかりしてもらわないと困ります」
「分かってますって。そんな怒らないでくださいよ」
そう。
僕は、便利な読心魔法の使い手。
…そのはずだ。


