神殺しのクロノスタシス3

「一緒に組んでたんじゃないのかよ?」

「組んでたけど、最初からほぼ別行動だったし~。俺はハナから、『玉響』と協力する気なんてなかったし~。『玉響』と組むのも会うのも、今回が初めてだったし~」

「…」

「だから『玉響』の暗殺スタイルも、どんな手口で来るのかも知らないね~。折角おはぎまで用意して俺を呼びつけたのに、な~んにも得られずに残念でし、」

「…あなた」

イレースが、いつの間にか杖を握り締めていた。

…先端から、雷がパチパチ光っている杖を。

「子供だと思って容赦していたら、大人をおちょくるのもいい加減に…」

「ま、まぁまぁまぁイレースちゃん落ち着いて?杖、杖は収めよう?ね?落ち着いてほら。おはぎ、おはぎあげるからほら」

「要りませんよそんなもの!」

「ひえっ」

とばっちりでイレースに怒られるシルナ。

気の毒に。

でも、イレースの言い分はもっともだ。

「…すぐり」

「何~?」

「お前、知ってることなら何でも話すって言ったよな?」

「うーん。言ったね」

「もう一回聞いてやる。ちゃんと答えろ。答えなかったら…」

「え、どうなるの?何か面白い拷問でも考え、」

「学生寮の部屋割り、お前と令月を同室にしてやる」

「…」

へらへらしていたすぐりの顔が、一瞬ピタリと止まり。

そして。

「…分かったよ。教えるからそれは勘弁してよ」

「よし」

初めからそうしろ。

本当にそんなことしたら、喧嘩で学生寮が崩壊しかねないから、こちらとしても捨て身の脅しだ。

「…って言っても、詳しく知らないのは事実だよ。『玉響』の得意な魔法も、そもそも魔法が使えるのかどうかも知らない」

すぐりは、ふて腐れた子供のように口を尖らせた。

こういうところは、年相応で可愛いんだけどな。

「分かった、それで良い。分かることだけ話せ」

「いーよ」

そう言って、すぐりはジャマ王国を出たときのことから、話を始めた。