─────…その頃、学院長室では。
「…すぐりの奴、来ないな…」
「来なくなったね」
令月の、あの桜餅事件以来。
すぐりが放課後学習会に顔を出すことは、一切なくなってしまった。
一応、シルナが作った課題は、真面目にやっているようだが。
ここに来ることはなくなった。
いるのは相変わらず、シルナと令月と俺と。
「…」
そして何故か、最近妙に口数が少なくなって、気持ち悪さを感じてきたナジュだけだ。
精神世界でリリスと喧嘩でもしたのだろうか。
「やっぱり桜餅嫌いだったのかな?」
「…そういう訳ではないだろ…」
あのな、令月。
多分、お前の天然…もとい、無神経なところが嫌われてるんだと思うぞ。
そういうところ、お前ちょっと、ベリクリーデと似てるよ。
「『八千歳』はちゃんと強いのに、自分でその強さを認められなくて、弱いと思い込んじゃってるんだよ」
「…」
良いこと言うな、お前。
ベリクリーデと似てるとか言ってごめん。
ベリクリーデよりは思慮深かった。
「本当になぁ…」
あいつは自分の中で「自分より強い『八千代』」という壁を作ってしまって。
その壁を乗り越えようと必死なのだ。
自分がもう、とっくにそんな壁は乗り越えていることも知らずに。
…でも。
「だからって桜餅顔面シュートはいかんだろ」
それはそれ、これはこれだ。
あれだけは、俺もまだ許しちゃいないぞ。
令月は気にしてないようだが…。
「なぁシルナ。やっぱりすぐりのところに行って、今からでも放課後学習会に参加するように…」
さっきからずっと黙ってるシルナに、声をかけようとしたら。
何故かシルナは、頭の中お花畑みたいな顔をして、チョコレートを摘まんでいた。
「いやー…。その必要はないんじゃないかなー」
…は?
「芽生え…。恋の芽生えだよこれは…。シュニィちゃんのとき以来…。青春だ…」
…?
なんかブツブツ呟いてるんだが、あれは何だ?認知症の始まりか何か?
「羽久が私に…失礼なことを考えてる気がするけど…気にならないや…」
「…あ、そ」
とにかく、頭の中お花畑なのはよく分かった。
まぁ、それはいつものこととして。
それよりすぐりだよ。
すぐりを何とか、また学院長室に呼び出す方法を、何か考案しなくては…と。
思っていた、そのとき。
いきなり、ノックもなしに、バーンと学院長室の扉が開いた。
何事かと思ったら、そこには。
「え、すぐり…?」
何とかしてここに連れてこさせねば、と思っていた張本人が。
こちらから誘うまでもなく、向こうから現れた。
い…一体どういう風の吹き回しだ?
「…すぐりの奴、来ないな…」
「来なくなったね」
令月の、あの桜餅事件以来。
すぐりが放課後学習会に顔を出すことは、一切なくなってしまった。
一応、シルナが作った課題は、真面目にやっているようだが。
ここに来ることはなくなった。
いるのは相変わらず、シルナと令月と俺と。
「…」
そして何故か、最近妙に口数が少なくなって、気持ち悪さを感じてきたナジュだけだ。
精神世界でリリスと喧嘩でもしたのだろうか。
「やっぱり桜餅嫌いだったのかな?」
「…そういう訳ではないだろ…」
あのな、令月。
多分、お前の天然…もとい、無神経なところが嫌われてるんだと思うぞ。
そういうところ、お前ちょっと、ベリクリーデと似てるよ。
「『八千歳』はちゃんと強いのに、自分でその強さを認められなくて、弱いと思い込んじゃってるんだよ」
「…」
良いこと言うな、お前。
ベリクリーデと似てるとか言ってごめん。
ベリクリーデよりは思慮深かった。
「本当になぁ…」
あいつは自分の中で「自分より強い『八千代』」という壁を作ってしまって。
その壁を乗り越えようと必死なのだ。
自分がもう、とっくにそんな壁は乗り越えていることも知らずに。
…でも。
「だからって桜餅顔面シュートはいかんだろ」
それはそれ、これはこれだ。
あれだけは、俺もまだ許しちゃいないぞ。
令月は気にしてないようだが…。
「なぁシルナ。やっぱりすぐりのところに行って、今からでも放課後学習会に参加するように…」
さっきからずっと黙ってるシルナに、声をかけようとしたら。
何故かシルナは、頭の中お花畑みたいな顔をして、チョコレートを摘まんでいた。
「いやー…。その必要はないんじゃないかなー」
…は?
「芽生え…。恋の芽生えだよこれは…。シュニィちゃんのとき以来…。青春だ…」
…?
なんかブツブツ呟いてるんだが、あれは何だ?認知症の始まりか何か?
「羽久が私に…失礼なことを考えてる気がするけど…気にならないや…」
「…あ、そ」
とにかく、頭の中お花畑なのはよく分かった。
まぁ、それはいつものこととして。
それよりすぐりだよ。
すぐりを何とか、また学院長室に呼び出す方法を、何か考案しなくては…と。
思っていた、そのとき。
いきなり、ノックもなしに、バーンと学院長室の扉が開いた。
何事かと思ったら、そこには。
「え、すぐり…?」
何とかしてここに連れてこさせねば、と思っていた張本人が。
こちらから誘うまでもなく、向こうから現れた。
い…一体どういう風の吹き回しだ?


