さようなら、そしてありがとう

〈姫奈〉

あの日相馬君に助けてもらえてよかった。

今ならそう思える。

だから、桜雅のみんなに会えた。

だから、雫に会えた。

だから、生きようと思った。

なのに病気は待ってくれない。

雫と湊君と病院に行った。

本当は行きたくなかった。

現実を突き付けられるようで。

でも、行った。

だって、流星を潰しに行った日。

湊君と雫が、こんなに自分のことを心配してくれてたことが嬉しかったから。

現実を受け入れようと思った。

受け入れようと思えた。

家から、みんなから、離れる決意も…